04.Eine Zeit im Traum
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私を呼ぶ声はどこか懐かしく、どこか優しく、どこか寂しい…
あぁ…ここはどこ…?
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「もう…---ったら、起きて。---?」
「ん…?あ、姉さん!お帰りなさい。帰ってたの?」
「さっき…ね、もう…女の子なのにお腹だして寝ていたらダメじゃない。」
「…あ。いや、でもね!?木陰ってなんだか落ち着いちゃって…えへへ…」
「まったく…ふふっ、いいわ。夏とはいえ冷えたでしょ?お茶にしましょうか。」
「うん!!姉さん大好き!」
「もうっ、調子がいいんだから。」
こうやって姉さんと過ごすのが好きだった。とても落ち着いていて穏やかな時間。
この時間は私の宝物だった。
「あ、お菓子はなにがいい?」
「姉さんが作ってくれるならなんでもいいよ~♫」
「ならマフィンはどうかしら??」
「大好き!!」
「ちょっと待っていて…」
姉さんが頑張っている間、私はテラスで外を見ていた。
小さなテーブルの上には『不思議の国のアリス』があって私は思わずページを開いて眺めていた。
「---?」
「え?あ、なに?姉さん。」
「出来たわよ、マフィン♪」
あれ?思わず時間を見ると結構経っていて、それだけ私はこの本を見ていたのかと思うと、姉さんの手前、少し恥ずかしかった。
「ねぇ?姉さん、姉さんは、------------------------------------------------。」
あ…れ?何を言ってるの?私。聞き取れないよ…。あぁ、もううるさいな
なんでほかの人の声が聞こえるの…なんで、なんで…?
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「…スッ、……リス!、アリス!!おい、起きろアリス!!」
違う…違うよ?私の名前は---、アリスじゃ…ないよ…ねぇ、姉さん。
だって---はあなたが付けてくれた名前で…だから…………
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「…ん。あぇぅっ?ここはぁ……ドコ??」
「あ、やっと目覚めた。まったく…大丈夫だった?君ってばかわいそうwwイカレ野郎に手を汚されちゃって気絶したんだよ?」
…あぁ、そういえばそうだった。
「貴様だけはいつか潰す…まぁ、今は万年発情期ウサギよりお前だ…。すまなかった。男への免疫がこんなにまでないとは思わなくてな…」
なんか今微妙に馬鹿にされたような…
「いや、ないほうがまぁ、こっちにとっても都合はいいし…な…」
「うん、調教のしがいがあるよね☆」
なんてことはないように言う二人に寒気がした。