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第4話【Gachi-Vibes!!宇宙生配信!?】

アカリがヒノキの壁を粉砕した180.0000秒後、俺の手元のスマホは、過負荷オーバーロードで180億ボルト級の熱を持ち始めていた。


宇宙のInstagram的なSNS――通称『ソラスタ』。


そこに投稿された「返り血令嬢の不法侵入」の画像は、銀河のアルゴリズムを180億ドルの精度でハックし、トレンドの頂点へとパッキングされていた。


「……ちょっ、何なのよこの通知の音! 私の脳内のトンツーよりうるさいわよッ!!」


「……あー、おめでとうアカリ。ジャスティン(宇宙版)がコメントだけじゃ飽き足らず、お前の投稿を『Gachi-Vibes!(ガチでバイブス上がるわ)』ってストーリーにシェアしたぞ。……今、全銀河のヒマ人がお前の『腹のパッキング(受精)』に180億ボルトの注目を注いでる。知らんけど」


アカリは震える指で俺のスマホを覗き込んだ。

そこには、自分を捨てたはずの「神聖銀河帝国」の国民たちが、『王女、ワイルドすぎて草』『魔王ボコったのは推せる』と、180億ドル級の手のひら返しで熱狂している地獄絵図が広がっていた。


「……私の、私の清純な令嬢イメージが180億光年の彼方へボッシュートされていく……っ」


「……あー、絶望してる暇はねえぞ。ほら、次の『仕込み』だ。ソラスタのストーリーでアンケート取ったら、『出産の瞬間をライブで見たい』が99.9%だったぞ。残り0.1%は魔王の親族だろうな、知らんけど」


俺は光の速さで、ソラスタのストーリーズに「カウントダウン」を設置した。


【全銀河待望:魔王の子、爆誕カウントダウン生配信。投げスパチャで豪華ベビーベッドをパッキングしよう! 配信開始まであと――】


「配信予告なんて勝手にしないでよッ!! まだ生まれるまで時間があるでしょ!? 普通は10ヶ月とか、そういうパッキング期間が必要なのよッ!!」


「……いや、全知全能の俺には見える。お前がさっき魔王をパッキング(物理破壊)した時のアドレナリンで、生命のサイクルが180億ボルトの速さで加速してんだよ。お前の体内で『魔王の子』という名のバグが、180億ドルの精度で『今すぐ出せ』ってコンパイル(再構築)を完了させてやがる。……あと3分だ」


「3分!? カップラーメンも硬め(パッキング不足)の状態じゃないのよッ!!」


その瞬間、ジンツーのブリッジが眩い光に包まれた。


アカリの腹部から、銀河の誕生を思わせる180億ドル級のエネルギーが漏れ出す。


あまりの光量に、俺は昭和モダンなサングラス(180億ボルト防護仕様)を装着した。


「……あー、始まった。ジンツー、カメラ固定。背景の汚れたドレスは『逆境の美学』としてそのまま映せ。フィルターは『セピアな昭和レトロ』でいけ。……よし、全銀河の養分ども、180億ドルのスパチャを準備しろ。パッキング(生配信)開始だ。知らんけど」


俺はチーズあられを口に放り込み、こたつの特等席でスマホの「配信開始」ボタンを180億ボルトの速さでタップした。


画面に「LIVE」の赤い文字が躍る。


同時接続数は0.01秒で180億人を突破した。


『――キタァァァ!!』


『令嬢、マジで産むのかよ!?』


『魔王の血筋が今、ニートの家でパッキングされるのか!?』


コメント欄が180.0000秒の速さで流れていく。

その先頭を走るのは、やはりあの男。


アイコンに180億ドルの金ピカ加工を施したジャスティン(宇宙版)だ。


『Oh... Gachi-Vibes...!! 180億ドル投げるから、子供の名前は俺の最新アルバムの名前にしてくれ!!』


画面に、ジャスティン(宇宙版)による180億ドル級の金ピカなスパチャ通知が固定される。だが、狂乱はそれだけじゃ終わらなかった。


「……あー、ジャスティン。お前の提案は180億ドルの速さで却下だ。名前はもうパッキング(決定)されてんだよ。……ほら、アカリ。みんな見てるぞ。なんか令嬢らしい『映える』一言言ってから産めよ。知らんけど」


「そんな余裕あるわけないでしょぉぉぉぉッ!! 痛いわよッ! 180億ボルトの電圧が腰に走ってるのよッ!! アンタ、配信切ってよ! 窓閉めてよ! 宇宙の果てまで逃げさせてよぉぉぉッ!!」


アカリの絶叫が、全宇宙のスピーカーを180億ボルトの音圧で震わせる。


すると、その悲鳴に呼応するように、画面上のスパチャメーターが180億ドルの壁をぶち破った。


【全宇宙からの投げスパチャ:追加180億ドルが着金!】


【さらに端数の40億ドルもノリでパッキング!】


「……おい見ろアカリ。ジャスティンの180億に加えて、全宇宙の暇人どもからさらに180億、オマケの40億を合わせて合計400億ドルだ。……お前の一叫びには、180億ドル級の経済効果があるらしい。知らんけど」


俺はあくびをしながら、画面の端で跳ね上がる


「400億ドルの0の数」を眺めていた。これだけあれば、昭和の呉に180億軒くらい家が建つな。


「400億ドルぅぅぅ!? そんなのいいから、この180億ボルトの激痛をどうにかしなさいよぉぉぉッ!!」


アカリの叫びすらも、視聴者には「400億ドルに相応しい神がかり的なライブパフォーマンス」としてパッキングされていた。


俺はあられを咀嚼しながら、180.0000秒後に現像されるであろう「銀河一高価な産声」を待つことにした。

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