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第3話【宇宙チーズあられと、180億ボルトの逆ギレ。令嬢の腹には魔王の子がパッキング済み!?】

アカリは、俺が差し出した「宇宙チーズあられ」の袋に、180億ドル級の握力で手を突っ込んだ。

サクッ、サクサクサクッ!!


静かなブリッジ(六畳一間)に、180億ボルトの殺気を帯びた咀嚼音が響き渡る。


返り血で真っ赤なドレスの裾が、俺が丹精込めてパッキングしたヒノキの床を汚しているが……。


「……あー、いいか。掃除するのは俺じゃねえ。……ジンツー、お前がやっとけ。知らんけど」


俺は床の汚れを視界からハック(消去)して、再びこたつに深く潜り込んだ。


すると、あられを完食したアカリが、脂ぎった指で俺の布団を剥ぎ取ってきた。


「ちょっと! アンタ、今の私の話聞いてた!? 魔王(本名)の! 子を! 宿しちゃったのよッ!! 乙女の、神聖銀河帝国の第三王女の腹に、よりによってあんな『俺tueeeウザキャラ』の種がパッキング(受精)されちゃったのよッ!!令嬢なのよ!」


「……あー、聞こえてるよ。180億ボルトの音量でな。……でもそれ、お前が『気の迷い』で許した結果だろ? 自業自得っていう、銀河で最も精密な因果応報だ。パッキング完了だな」


「なっ……!! 誰も! 誰も助けに来ないから、寂しさと絶望で脳が180億秒くらいフリーズしてただけよッ! その隙をあいつに……ッ!! アンタが、アンタが私のトンツーを『ダルい』の一言でパッキング解除(拒絶)さえしなければ、私は今頃、白馬の騎士の背中で『怖かったぁ』とか言って180億ドル級のデレを披露してたはずなのよッ!!」


アカリは泣きながら、さっきまで引きずっていた魔王(本名)を、窓から真空の宇宙へボッシュートした。


「……うわ、非道。元カレだろ、一応」


「誰が元カレよッ!! 粗大ゴミよ、パッキングミスよッ!! ……いい? アンタ、全知全能なんでしょ? この子、どうにかしなさいよ! 消すなり、180億年後の未来へワープさせるなり――」


「……無理。ダルい」


俺は、スマホ(改装済み)のカメラを無造作にアカリに向けた。


「……いいか、アカリ。俺はニートだ。全知全能だけど、他人の不始末をタダで掃除するほど、俺を安売りしてねえ。……だが、これならどうだ」


俺の指が、180億ボルトの速さで画面をスワイプする。


【銀河ライブ配信:【閲覧注意】自力で魔王をボコった令嬢、腹の子の父親(仮)を求めてニートの家に不法侵入。】


「ちょっと、何を――」


「……あー、動くな。パッキング(画角)が乱れる。……ほら見ろ、配信開始から2秒で、ジャスティン(宇宙版)がコメントしてきたぜ。……『この令嬢、返り血が似合いすぎて草』だってよ。……良かったな、お前、今日から銀河のスターだ。知らんけど」


「誰がそんな180億ボルトの不名誉なスターになるって言ったのよぉぉぉッ!!」


アカリの拳が、180億トンの衝撃で俺の横の壁(ヒノキ製)を粉砕した。


だが、その拳は震えていた。


180億ボルトの怒りの裏側にある、これから「母親」になってしまうという、未知なる恐怖への震え。


俺はため息をつき、空になったあられの袋を丸めてゴミ箱へパッキング(ボッシュート)した。


「……あー、やれやれだぜ。壁の修理代、今のスパチャから出しとけ。……あとの育児費用は、配信の上がりでパッキングしてやるよ。……俺は働かねえけど、カメラは回してやる。知らんけど」


こうして、放置されたはずのヒロインは、180億ボルトの逆ギレと共に、俺の「ジンツー」へ不法入居パッキングを完了させたのである。

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