ホーチミンの屋台で、ベトナム人妻が「ビニール袋」で買ったもの
私が惹かれたのは、華やかな観光地でも、目を奪うような絶景でもない。
ベトナム、ホーチミンでの、ごくありふれた日常だ。
ホーチミンのアパートで食べるインスタント焼きそば、マクドナルドでの見慣れた光景、そして夜の公園でのささやかなデート。
国際結婚した私たちの何気ない日常の断片である。
特に日本人の私視点で印象的だったのは、食の風景だ。
マクドナルドのハンバーガーは、日本で食べるものとほとんど変わらない味。
でも、異国で同じ味に出会う不思議さ、そしてどこかホッとする感覚は、特別なものに感じられた。
一方で、ホーチミンの公園の屋台で買ったエビの辛い料理や、珍しい焼き卵といった現地の味。
料理をビニール袋に入れて持ち帰る、日本ではあまり見かけない習慣も、その国ならではの文化として新鮮に映った。
食べるものを通して、その街の息づかいや、人々の暮らしがじんわりと伝わってくる。
食は、単なる栄養補給ではなく、その街と自分を繋ぐ架け橋なのだと感じた。
夜の公園での時間は、賑やかな光景の中で、語り合いながら食事を楽しんだ。
特別な場所に行かずとも、日常の中にこそ幸せがあることを教えてくれたような気がする。
ホーチミンの大都市の真ん中にありながら、人々がそれぞれの時間を過ごす安らぎの空間。
食べ終わったゴミをきちんと片付けた。
その場所への敬意と、日々の暮らしを大切にしたい。
それは、国や文化が違っても、誰もが持つ共通の美徳のように思えるから。
これは壮大な物語ではなく、ささやかな日常の繰り返し。
そこにこそ、本当の街の魅力や人々の温かさがあるのかもしれない。
またいつかホーチミンを訪れたら、私は名所旧跡巡りではなく、地元の人々が通う公園や屋台に足を運んでみたい。
そんな小さな夢を抱きながら、ベトナム人妻と娘と日本で暮らしている。
ホーチミンの日常が教えてくれた、ささやかで大切な幸せを胸に。




