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拝啓、いつか追い付く貴女へ

作者: 鍋の地
掲載日:2025/10/06

夢を持ち続けましょう、人生を楽しむために。

「はい。じゃあ、この時間は、進路の紙を書いてもらう。お手本は、黒板見たらわかるからな。大きな字で、濃く書けよ?」

進路。僕は、あの、地元の進学校に進学。

名前は確か…。

思い出し、僕は書こうとする。

すると、隣の席の子が立ち上がり、

「先生、私には関係ないので図書室に行ってきます」

「ん? ああ、いいぞ。たっぷり勉強しろよ? 図書室の本はタダだしな、今のうちにしっかり利用しろ」




「ちよ、ちょっと待って」

僕は教室から出て追いかける。

「何?」

振り向いてくれる。

それに、僕はホッとする。

僕は、

「ちゅ、中卒のつもりなの? 何で。家庭の事情?」

「おかしなことを聞くね。君は、私のことをよく知ってるでしょ? よく一緒にいるんだから」

家庭の事情ではない、か。そんな話、聞いたことないし。

小さい頃からずっと一緒だから、この子のことはよく知っている。読書家で、少し暗くて。僕は、そんな彼女のことが好き、いや、んなのは今はどうでもいい。

「じゃあ、何で?」

よく知っているはずなのに、理解できない。

「一緒に高校行こうよ、同じ高校に」

「嫌だ」

「嫌だ?」

なんだろう、嫌われたのだろうか。

「私、来年から専業作家なの」

「作家じゃないくせに、何バカ言って」

「検索したら出てくるよ、私の名前で。したことないの? 知っている人の名前で検索」

真面目に。

知らなかったなあ、全く。いつも一緒にいるのに。

「高校行きながら作家ってのは? ねえ、高校行こうよ」

「図書館で本を借りたりして、勉強しながら書きたいから。

それに、学校は嫌いなの。小さな世界、意味分からないルール、産まれたのが少し早かっただけで偉そうにする人たちとか」

「楽しい所もあるじゃないか! 修学旅行とか、他にもたくさんっ」

「なぜ、そう、しつこいの?

私は私の夢を追う、あなたには関係ない。

そんなに一緒にいたいなら、私を追いかけたら? 文章が苦手なあなたが作家になれるとは思えないけど」

そして、図書室へ、向かっていった。

1人になる僕。

専業作家になるとか、悔しかったら追いかけて来いとか。

もう…。

「わかんないよ、僕にはわかんないよ!」




そして、翌年の春。

僕は椅子から立ち上がり、名前を言うと、

「必ず作家になります」

宣言し、座る。

文章力は、まだ自信ない。

けど、あの子が今でも好きだから。

だから、僕も作家になる。

今の夢は、また、あの子と一緒になること。好きな子と一緒にいたい、それだけ。

絶対に追い付いてやる。

読んでいただき、ありがとうございました。

少しでも前向きになって頂けたら幸いです。

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