表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/90

85話 絶望の先に…

 目を開けると、暗い森の中に戻ってきた。中に入るために瞑想をしていたので組んでいた足をゆっくりとほどく。

 解放した2人はどうなった?

 様子を見ると、リキ殿の身体に覆い被さるようにぐったりしている司教殿の姿が見えた。

「司教殿!無事か?記憶の方はどうだろうか?」


 とりあえず、楽な体勢を取らせるために木の幹に身体を預けさせて、呼吸や脈を確認するも特に異常はなかった。


「…ああ、申し訳ございません。単なる魔力切れですのでご心配なく…。それにしても…」

「よくぞ私達の魂を取り戻してくれました。本当にありがとうございます…ガンジくん」


「…!良かった!戻ったのだな!?――ということは…!」


「ええ…リキくんの魂も戻っていますよ…。先ほど心音と呼吸を確認しましたから」


「そうか…!生き返ったか…!」

 魂が戻っても生命機能が止まっていたら生き返るか不安だったが、上手く行ったようだな。


「ポーションでもあれば魔力回復出来ただろうが…生憎、村には売っていなくてな」


「いえいえ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます。少し休めば動けますよ…!」


 そう言って弱々しくも笑顔でガッツポーズを見せてくれる。魔力切れということは目眩も酷いはずだが……そのような素振りは一切見せない。逞しい人だ。


「では、ロクが起きるまで少し休憩していてくれ。もう少しで起きるだろう」


 隣の木陰でスヤスヤと眠っているロクを見て、ワシも少し休むことにした。少し待っても起きなければ、起こしに行こうか……。





『今の貴方は端から見れば寝ているだけ!助けが来るなんて期待しないことね!』


 ということは、僕一人でまた相手をしないといけないのか…!疲労状態のこの身体で、全快の魂喰いを…!


『私をあそこまで追い詰めたのは誉めてあげる。でも、全部無駄になっちゃったわね~?残念ねぇ…!』


「だったら…もう一度倒せばいいだけだ!」


『…そう?…ならやってみれば?』


 腕を広げ、手の平をクイクイと手前に引く。腕をカマに変形させてもいない。完全に舐めている。


「この…!!」


 油断しているなら好都合だ。一撃で終わらせる!!


『魔剣術.ver暴風コンバート』


 間合いに入って胴体に横薙ぎの一閃を叩き込む。綺麗に真っ二つになり、これで終わり…とはならなかった。


「手応えがない…!!まるで実体がないのかのように…!」


『ふふ…!正:解♡ 前の空間では完全に制御する前に貴方たちに邪魔されて同化出来なかったけどぉ〜、今はこの通り…!そして…そんな賢いボクに〜更に良いことを教えてあげる…!』

『完全に夢と同化した私は、たとえ霊魔法で攻撃して運良く倒せたとしても…』


『こうして…!』

『次々と!』

『新しい私が!』

『出てくるってことを…ね?』


「……えっ?……は?」


 木の後ろから、地面の中から、草木の隙間から、そして何もない空中からも…魂喰いが現れた。


『アハハッ!!…どう?良い情報だったでしょ?「抵抗するのは無駄だ」って分かって…ね!』


 そ…そんな……。これじゃあ…もう…!!


『「無敵じゃないか」…でしょ?』


「…!?」


『顔に出てるわよ…!絶望に染まった今にも泣きそうな顔にね…!!』

『その顔が見たかったの!!私を倒そうと粋がっていた子供たちが泣き崩れる瞬間を!!』

『貴方を取り込んだら次はあの褐色くんね。あのパワーと霊魔法は厄介だけど…貴方という協力者が居なければ攻撃なんて当たらないし…。すぐに一緒に逝かせてあげる…!』


『さあ……、私の目を見て…!』


 ここで僕は終わってしまうのか………………。握っていた剣を落とす。握力も限界だったが、それ以上に握る気力も無くなっていた。


「……まいった、僕の負けだよ…」



「でもね…!」


「貴方はこんな子供に一度は負けたんだ!!」

「こんな『風魔法』しか使えない子供にね!!」

「お前は弱いんだ!!風魔法しか使えない子供以下だ!!!」


 絶望なんてしてやるものか。どうせなら行き場のない怒りを最後に植え付けてやる!!


『…っ!!最後までイライラさせてくれるわね…!!もういいわ…早く逝きなさい!!』


 顔を掴まれ、無理やり上げさせられる。あの目を見たら僕は魂を取られるのか…。自分の最期だっていうのに意外と冷静だった。

 言いたい事を言ったから?最後に魂喰いに少しでも精神的ダメージを与えられたから?

 それは分からないけど、最期に思ったのは——、


「あ…夏祭り………行けなかったな」

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

 :

「諦めるのはちっとばかし早いんじゃねーの?」


『ギャアアー!!?』


 魂喰いの目を見る…あとほんの少しのところで、真っ赤な目が斬り払われた。何が起きたか分からず、その剣先を辿る。その姿を見て…僕………は…………!!


「……り、き…くん……!!リキくん…リキくん…………!!!うわあああん!!!」


「おう…!!助けてくれてサンキューな!こっからはよ〜」

「俺と一緒にコイツらぶっ倒そうぜ!!」

リキ〜〜〜!!!

自分で書いててリキくん推しになりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ