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73話 ロク、出家する

 王都侵入事件から3日、あの後騎士さんたちが僕の元に訪れるようなことは無かった。ただ、

「お城に侵入者?やあねぇ、物騒だわ〜」


 おばちゃんの独り言に心臓がドキリとする。どうやら新聞を読んでいるみたいだ。


「『犯人はスラム街の子供の可能性が高い』ねぇ…。生活に困っているとはいえあのお城に侵入するなんて大したもんだ。可哀想だし、ここに侵入してきたらご飯の一つでも出してあげようかね」

 もう出してます。


 ここ3日は怖くて外出できなかったけど流石にあの後の状況が気になって図書館と王城を確認する事にした。あの紫のローブの人に見つかったら一瞬でバレてしまうので一応帽子を被って変装して向かった。


 調査した結果、王国側はこれといって盗まれたものは無いので犯人の捜索はしていないらしい。よ、良かった…。

 そして図書館だけど、破られた窓は綺麗さっぱりになっていた。というのも、そもそも窓自体が無くなっていた。お城から逃げようとした時もあの通路が無くなっていたし、まるで初めから秘密通路なんて無かったかのような気さえしてくる。僕は入ってはいけない所に行ってしまったのではないか?そう思うと背筋がゾクッとしたのでこれ以上考えるのはやめた。


「はあ…。とはいえ、今回は反省しないとなぁ」

 窓の破壊に王城の侵入。そんなつもりは無かったとはいえやってることは犯罪だ。どうにかこの罪悪感を晴らす方法はないものか……。


 トボトボと王都の広場を歩いていると、中央の掲示板のある一枚のポスターが目に入った。



【子供限定・エバーグリーン・チャペル修行体験】

「心を整え、静寂の中で自分と向き合う」

 〜修道士と共に修行の時間を過ごし、心の平安を得ながら自然を楽しもう〜


【詳細情報】

 日時: 「○○日、○○時~ 2泊3日体験」

 場所: 「白樺通り、エバーグリーン・チャペル」

 参加条件: 「6歳以上9歳以下、心を整えたい方、自分を変えたい方、鍛えたい方に最適」

 料金: 「参加費:無料(お気軽にお越しください)」


【オススメポイント】

 体験内容: 瞑想、滝行、巡礼、心を整える貴重な機会をご用意しております。さらに、体験者には特別にレストレイント教会の聖女『メディリス・オブ・ファエラ様』によるお悩み相談も。

 心の成長: 「今の自分を見つめ直し平安を取り戻す時間、心のリフレッシュや成長」


「心の静けさを感じるひととき。あなたも心を清算し、内なる平穏を見つけましょう」



 これだ。


 体験会当日、エバーグリーン・チャペル、通称「ミドリ教会」に訪れると、黒い修道服を身にまとった優しそうな雰囲気のお姉さんが教会の前で机を立てて座っていた。

 お姉さんが僕を見ると、目を開いて嬉しそうに挨拶してくれた。


「あ…!おはよう!…もしかして、体験会に参加希望の子?」

「そうです!ロクっていいます。よろしくお願いします!」

「そうなんだ!!良かった〜!参加者が少なくて困ってたの……さあ、入って入って!!」


 そう言って扉を開いて聖堂に案内する。

「今日の体験会はロクくんの他に2人いるから仲良くなれると良いね?」

 僕の他にも2人参加しているんだ?こう言っちゃアレだけど中々物好きな子たちだな。僕も普段ならこういうのには興味は湧かないけど、罪を清算してスッキリしたくて参加した身だからなー…価値観が合うか心配だ。


 扉の向こうには綺麗に並べられた椅子に座る2人の子供がいた。入ってきた僕に気付き、クルリとこちらに振り返る。


「あれ?ロクじゃん!久しぶりだな!元気だったか?」

「お!なんと、またもや知り合いと出くわすとは!!代表戦以来だな!ロク殿」

「リキくん!?…に」


 そこに居たのは、リキくんと代表戦でクウナさんと戦った灰色の髪の褐色の男の子だった。

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