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72話  隠された伝説の魔導書を探せ!(後編)

 窓を割るとその先にあったのは地下へと続く階段だった。

「やっぱりあったんだ…!!ということはこの先に…!」

 伝説の魔導書がある…その噂が現実味を帯びてきて心臓の鼓動が早くなる。その興奮が冷めやらぬまま僕は階段を降りていった。


 地下は真っ暗で埃だらけだった。幅は僕が両手を伸ばすと両壁に手が付くので多分1mくらい、高さは見えないので分からないが僕が手を伸ばしてジャンプしても当たらないのでそれなりにはあると思う。

 進もうにも暗すぎて全く前が見えないので壁に手を付けながらゆっくり進んでいく事にした。こんなことなら灯りになるものでも持ってくれば良かった。今度から冒険セットを常備しよう。


 罠が無いか慎重に進んで行く。どれだけの時間が経ったのかどのくらい進んだのか全く分からない。引き返そうかとも思ったが、ここの存在がバレて誰かに攻略されてしまうのも嫌だったので覚悟を決めて前に進む事にした。


「一体どこまで進んだんだ…?暗すぎて何も分からないよ…って、おわぁっ!?」

 急に伝っていた壁が消えた。そのせいで重心が崩れ倒れてしまった。


「痛ててて…変なところ打った…ジンジンする…」

 腰をさすりながら周りを確認する。どうやらここは十字路になっているらしい。

 右か左か直進か…こういう時は壁に手を伝って行けば必ず出口に辿り着くって迷路の物語で見たことあったな。それにダンジョンは寄り道が醍醐味って言ってたし…ここは左右のどっちかかな?

「…でも、迷ったらやだしお腹も空いたから真っ直ぐ行こうっと」

 寄り道はまた今度だ。今は魔道書を手に入れたい。


 またどれくらい経ったのだろうか、長い暗闇を突き進んで感覚が狂い始めたころ、足先にコツンと何かが当たる。

「あれ?また階段だ…」

 道を間違えた?いつの間にか戻っていた?そんな疑問を持ちながらとりあえず階段を登って行く。


 登り終えると遠くの方でかすかに光が見える。もしかしなくてもこれは、

「出口だ!!」

 灯りに群がる虫のように光に向かっていく。その先に待ち受けていたのは、豪華な装飾に囲まれた本棚が並んでいた。



「本当にあったんだ…!!伝説の魔導書!!」

 一目散に本棚に駆け寄る。この本全てが伝説の魔導書なのだろうか?勝手に一つだと思っていたからバッグの用意なんてしていない。全て持って行くのは無理だ。


「ん〜…と、何々…」


『魔法基礎術〜魔力感知のススメ〜』

『固有魔法の……法』

『俺が作った秘伝のタレ【ウマイジャン】は魔王も中毒に!?料理で全部わからせる、最強料理王に俺はなる!!』


「……」

 どれもこれも伝説の魔導書と呼ぶにはパッとしないというか、何なら全然違うのもあるというか…。

 本の状態が悪く読めないものも混ざっていた。この中からまた探すとなるとさらに時間がかかりそうだ。


『ガチャ』

 ドアの開く音。音の先にはこっちを見て硬直している紫のローブを着た片眼鏡のお兄さんがいた。

「誰だ!?……いや、そうか、スラムの盗人だな?こんな所まで忍び込むとは。…おーい!!誰か来てくれ!!侵入者がいるぞ!!」

「え!?ちょ…ちょっと待って!!」

「うるさい!!この盗人め!!大人しくしていろ!」


 そう言って右手を前に突き出す。な、何かヤバい…来る!

 右手から鎖が出現して僕を捕らえようと勢いよく伸びてきた。

『追い風』


 こうなったらもう逃げるしかない!まさか人の家に通じていたなんて…!僕が通って来た穴はよく見るとこの部屋の暖炉だった。入って来た道に引き返そうとした時、

「ぐえっ!!あれ!?壁だ…!!道が無い!?」

 あの秘密通路がなくなっていた。


「煙突から入って来たのか…!逃がさないぞ〜!!」

 …!確かにここが暖炉なら煙を逃すために上が開いているはずだ。そこから逃げよう!

 追い風で煙突の上に飛び上がる。下に溜まっていた灰が巻き上がり後ろに迫っていたお兄さんの咳き込む声が聞こえた。


「ヴェッホ!!ヴェッホ!!…ま、待てヴォホ…!!煙突から逃げた!!追え…オエェ…!!」


 煙突から外に出るとここが大きな屋敷ということが分かった。屋敷の中央に鎖が絡まった剣の紋章がある。…あれ!?ここ…

「レストレイント城!?」


 下を見ると王国の騎士数名が既に中庭に集まっており、僕を見て何か叫んでいる。マズい見つかった…!!とりあえずこれ以上見つからないように神隠しで姿を消して急いでこの場から退散した。



「あら、ロクくんおかえり!どうだった?伝説の魔導書は見つかった?」

 レスト寮に帰って夕食を作っていたおばちゃんに声を掛けられる。

 魔導書だって?そんなものは、


「もう懲り懲りだ〜」

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