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39話 バケモノ

『動きはワシにまかせて、お主は迎撃することだけ考えてくれ』

 わかった。

「舐めるな、小僧!たかだか5、6年生きた分際で我と対等になったと思うなよ?」

 2体の大幻狐は前より速く鋭い攻撃を畳み掛けてくる。速い……。今までも本気じゃなかったっていうのか?

 右、左、上、下、後ろ……ありとあらゆるところから攻撃が飛んでくる。それを全て紙一重(かみひとえ)で避けていく僕こと人体模型さん。

 僕はというと見当違いの場所に魔法を放っているだけだ。ううっ…タイミングが掴めない。

『目で見ていては駄目だ。気配を感じとるのだ』

 気配……。目を閉じ、気配を探る。………………いや、無理!!僕は武術の達人じゃない。なんとか波だって打てない。急に気配を感じることなんて……。

『ハハッ、もっと初歩的なことでいいんだ。こやつらは幻だが実体がある。なら当然、魔力があるはずだ。自分の魔力を感じたことがあるなら、他人の魔力だって感じられる。奴らの魔力を感じとるのだ』

 ……目を閉じ、再び集中する。しかし、今度は気配そのものではなく、魔力を感知しようとする。……まず、僕の魔力がはっきりと感知できた。次は、奴らの魔力を感知する。………………!ぼんやりだけど、わかる!ただ、ぼんやりすぎて全然攻撃が予測できない。…というか、この辺り一帯が大幻狐の魔力に覆われている。これって……

『気付いたようだな、奴のからくりに』

 幻術。この辺り一帯を覆うほど大規模な……。

『そうだ。この技の厄介なところは、本体の魔力がそこかしこにある故、居場所を特定するのができぬことだ。……ワシもこれでやられてしまった』

 ……2体の大幻狐は色濃く魔力が感じられるからなんとか感知できているけど、周りの魔力が邪魔をしてぼんやりしか感じられない。周りの魔力だけなんとかなればはっきり感知できるのに……。そうだ!

「そろそろ限界のようだなぁ…!動きが鈍っているぞ!クククッ……クカカ!!」

「そこだ!」

「……っ!しまっ…」

『追い風』

「またちょこまかと…鬱陶しい魔法だな」

『すまぬ、助かった!もう感知できるようになったのか!』

 うん、ちょっとズルしてるけど。これからは僕も戦うよ!



 左から爪撃、同時に下から尻尾の突き刺し、斜め右後ろからも爪撃。

 人体模型さんの剣に風をまとわせながら、懐にあった残り1つの爪を風で浮かせ、後ろの大幻狐に飛ばす。

『魔剣術』&『突風爪弾』

「グガアッ!!な、なんだ!?明らかに動きが違う!コイツは危険だ、早く倒さなければ……!!」

『…同時魔法行使か、なんという精度だ……』

 人体模型さん、風で奴らに接近します。攻撃お願いします。

『お、おう……』

『追い風』&『魔剣術』

 縦横無尽に飛び回り、攻撃のタイミングで剣に風をまとわせる。大幻狐は、為す術もなく斬られ続ける。

「ウギギャアア!!」

 まだまだ、行くぞ!

 大きな渦を発生させ、大幻狐たちを上へと巻き上げる。そして、追い風で上がり、大幻狐たちまで追い付くと、地面に向け最大威力の逆風を放った。

『ドーン!!』

『……ワシはとんでもないバケモノを目覚めさせてしまったみたいだな』

 失礼だな。



「準備はいい?行くよ!」

「あ、は、はい!」

 ベニエちゃんは空に向け、大量の水魔法を放つ。辺り一帯に豪雨のように降り注ぐ。ベニエちゃんの魔法の範囲は一つの山が丸々入る程の広範囲だった。

「ん〜……あ!あそこ!イリネス!」

 ベニエちゃんが指差す方をみると、雨の軌道がぐねりと捻れている。あそこだけ別の空間があるみたいに……。

「わ、わかりました!」

 私は、その空間を囲うようにドーム状の壁を展開した。

「できました!お願いします!」

「散々暴れ回ってくれたわね……!もういい加減終わらせるわ!!」

 ベニエちゃんの炎がドームの中を焼き尽くす。

「グアアアッ!!!なぜ、我の居場所が!熱い!熱いぃ!!やめろぉ!!」

「そのまま窯焼(かまや)きされなさい!」

 ドームに送られ続ける炎がやがて容量がいっぱいになって耐えきれなくなり、私の壁を破って天に向かって放出されていく。星のようにキラキラと散っていき、とても綺麗な炎柱でした。

「こ、この……バケモノどもめ……」

 ドームが爆裂する直前、絞り出すような声が微かに聞こえた。

「「失礼ね(です)!!」」

補足

常人の魔力総量がバケツくらいの大きさだとしたら、山を覆うのに必要な魔力は最低25mプールくらいの総量がないとできません。

ロク「じゃ、じゃあ、それを軽々とやったベニエさんは……?」

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