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35話 幻狐・怪異種

〜時は少し遡り、イリネス視点〜

「うわあ”あ”ッー!!」

「!!?どうしたんですか!?ロクくん!?」

 いきなりロクくんが肩を抑え、(もだ)えている。な、何かされたの?見た限りでは何も異常はないですが明らかに攻撃されている。私の守りが突破された?どうやって?訳が分からないままロクくんがポツリと呟く。

「な、なんで……?」

「クククッ、さあ?どうしてだろうな?」

 突然、私とロクくんの間から声がして、その声に目線を向けると小さな狐が薄気味悪い笑顔でこっちを見ていた。

「キャア(うわあ)!!」

 反射的に避けてしまうとそれを待っていたかのように大きな狐はロクくんを叩き潰そうとした。

「ほう……!今のを避けるか。だが……」

 ロクくんは紙一重で避けれたみたい……でも、本当の狙いは……。

「わ、私達を分断するのが目的だったんですね?」

 その言葉を聞き、大狐はニヤッとまたもや気味の悪い笑みを浮かべる。

「これで邪魔者はいなくなったなぁ」

「あ、あなたが7つ目の七不思議ですよね?七不思議の真実を知った人を喰べていた……そうですね?」

「ああ〜、『七不思議』かぁ。いいだろう、冥土の土産だ、教えてやる。女、お前の推察通りだ、『あれ』は我が流した噂話よ」

「人間共はこういった未知の噂に食い付く愚かな生き物だからなぁ、それを利用して夜な夜な忍び込んで来たバカな人間をここまで誘き寄せ、喰らうのだ」

 なるほど、これで合点がいきました。七不思議はコイツらの撒き餌だったんでしょう。『ハナコさん』、『ドッペルさん』なんかはあの変化の魔法で再現できる。さながら、コイツは怪異の魔物、『怪異種』といったところでしょうか?今回もロクくんやベニエちゃんに化けて私達を騙して……そういえば、ベニエちゃんは?ロクくんが連れてきたベニエちゃんはコイツだった。万が一の事を考えてしまい、背筋が凍る。ま、まさか……?

「……ベニエちゃん、あなたが化けていた女の子は?どうしたんですか?」

「………」

 沈黙する大狐。そんな、まさか………!?

「どうしたんですか!?なぜ黙っているの!?答えて!!」

「……った」

「えっ?」

「喰ってやったよ……!!クククッ……カカカカカッッ!!!!」

「お前えぇ!!!!」

 私の中の何かがプツンと切れた。私は溢れ出す感情を全てアイツにぶつけた。

「…!ぬお!これがお前の力か…中々やるなぁ。この我が身動きが取れないほど押さえつけられるとはな……」

「そのまま潰れろ!!○ねええぇぇ!!!!」

 私の守護霊がアイツを押し潰す。このままコイツを○してベニエちゃんの仇を……。

 その時、私の目の前に()()()の情景が広がる。



 周りには、暗闇の中に私を(さげす)む目で睨むおばさん、意味不明な言葉を並べて怒声を浴びせるおじさん、私に石を投げてくる同年代の子達、そして……私を山に見捨てたお父さん、お母さん。

『どうしてこんな子が……?』

『気持ち悪い……!』

 やめて………。

『人○し!!人○し!!』

 やめて………!

『アンタなんて産まなけりゃよかった』

 ……!!やめて!!!

 いつの間にか周りの人が居なくなって、目の前に一人の女の子が立っている。

「……お姉ちゃん?」

「お姉ちゃん、私……」

『どうしてアンタだけ生きてるの?』

「お、おねえ…ちゃん……」

『またアンタだけ生き残るの?私達を犠牲にして』

 モヤがかかっていた女の子の顔が鮮明になる。

「!?ベニエちゃん……!?」

『ねえ、またアンタだけ生き残ったの?これで()()()だよね?恥ずかしくないの?』

「ご、ごめ……」

『またそれ?謝っても意味ないから。本当に申し訳ないと思ってるなら今、ここで○んでよ?』

「えっ……?」

『だから○んでよ。今すぐに。不公平でしょ?アンタばっかり生き残るのは。今なら私達も一緒に逝ってあげる。だからさあ、さあ!、さあ!!!』

 ………もう疲れたな。考えるの。私ばかり虐められて何も良いこと無かったですし。誰も助けてくれる人なんていませんでした。もう十分頑張りました。…そうだ、一緒に○のう…2人と一緒なら悪くない最期ですし。

『ようやく決意してくれた?じゃあ、さようなら………』



「イリネスさんっ!!」

 どこからか私の名前を呼ぶ声が聞こえた。すると、目の前にいたお姉ちゃん達が居なくなり、代わりにそこに居たのは……

「……ロクくん?」

「大丈夫?助けに来たよ」

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