2話 入学式そして魔法適正
「よし、行こう!」
朝食を食べ終え、制服に着替えた僕は入学式が始まる武道館へと足を運んだ。
武道館は寮の向かいにある校庭の北側にある校舎みたいだ。途中で道に迷わないように立っていた教師?さんたちのおかげで無事に着くことができた。
武道館にはたくさんの椅子が置かれており、もう何人か座っている生徒がいた。2階にはもともと座れるようなベンチが四方にあった。なんだか、1階を見下ろせるような造りになっているな。
僕は、「1年は1階に座ってくださーい!」という指示が聞こえたので空いている席に座った。
正面の舞台には教壇が置かれており、そこにはとても大きな若いお兄さんがマイクをいじいじしている。
ショートの赤い髪で身長は190cmはありそうだった。マイクを調整しているところを見るに新米教師なのだろうか?
生徒が全員集まったのか出入り口が閉ざされ、赤髪のお兄さんが話し始めた。
「えー、皆さん、学園長のアレクと申します。よろしくお願いします」
今、学園長って言った?どう見ても20歳程にしか見えないんだけど?
「今日、この美しい日に、私たちは誇り高く、喜びに満ちた心で、新たな章の始まりを祝います。この入学式は、皆さんがこれから学び、成長し、未来への道を築いていくための重要な一歩です。
〜だけでなく、新たな友情を築き、共に助け合い、成長していく場でもあります。(中略)〜
〜未来の輝かしい成功を心から祈っています。(中略)〜
〜最後に(中略)〜
皆さんの入学を心よりお祝い申し上げます。共に学び、成長し、素晴らしい学園生活を送ることを楽しみにしています」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
……っは!ヤバい…途中から記憶が途切れ途切れだ……。昨日あまり眠れなかったのがここで響いてきた。
ガラガラと生徒は思い思いに立ち上がり、自分の教室へと向かっていく。あれ、もしかして大事な事を聞き逃していた!?と不安であたりをよく見たら、移動している生徒の制服の色が違うことに気づいた。それに、1階に座っている生徒は誰一人動いていない。
今更だけど、制服の色も全員僕と同じ緑色だ。推測するに制服の色は学年ごとで分けているのではないか?
そんな事を考えていたら、舞台で教壇を片付けている学園長とそれを手伝っている数名の教師?さんがこっちに向かって指示する。
「皆さーん!今から魔法適正の測定をするので前に座っている子から順番に来るように!」
そういった教師?さんたちの前には宙吊りになった子石と紙が置かれていた。
魔法適性が分かるんだ!内心ワクワクしながら自分の番が来るのを今か今かと待ち望んでいた。ついに僕の番が来たときに目の前にある小石と紙を見た。
宙吊りの小石は5つあって、紙には五角形の中に五角形が5重に描かれていて、大きな五角形の頂点にはそれぞれ火、水、風、土、霊と書かれていた。
「ロクくんねー、じゃあ石に手を近づけて」
「はい」
若そうな男教師?さんに言われるがまま子石に手をかざすと、グンっとすごい勢いで子石が五角形の先に広がった。
こ、これは!?
小石は『風』と書かれた五角形の頂点を振り切っていた。けど、他の4つの小石は全く反応していない。この反応を見た教師?さんは、
「こ、これは!?」
僕と同じリアクションじゃないか。もしかしてすごい事なのだろうか?見た感じ風の属性が強いと思うんだけど。
「初めて見たよ。属性が1つしかないなんて、みんな少なくとも2つは持っているはずなのに」
「え?」
どういうこと?
「しかも風か〜、この素質はすごいけど……ま!それはキミ次第だから!頑張って使いこなして!」
全くフォローになってない適当な励ましをされ、手渡されたのは先程の紙。そこには、
火 E
霊 E 水 E
土 E 風 S
とそれぞれの文字の横にランクが書かれていた。
あらすじまでなんとか書くことができました!
ほとんどノープランで書いているので整合性を持たせるために細かい修正をしています。