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24話 優勝決定戦3

 18組の休憩と回復を兼ねた小休憩があったが、幸いにも僕らは大して怪我しなかったため、体力を整えることに注力(ちゅうりょく)した。そして、

「さあ!始まります!18組対1組の優勝決定戦!どちらもチーム総合力はトップレベル!ですが、18組は連戦のため不利な状況です。このハンデがどのように響いてくるのかが今回の勝敗のポイントになりそうです!」

「先鋒、前へ!」

 始まった……。リキくんの相手は小柄の男子だった。何だかウトウトしていて、緊張感が感じられない。こういう相手こそ実は強かったというオチがある。油断はできない。

「試合開始!」

 始まった瞬間、リキくんが相手に迫る。ものすごい勢いで相手に斬りかかるが、相手はその攻撃をバク宙しながらスレスレで避けた。すごい身のこなしだ。

「ぐおっ!」

 リキくんが()()った。みてみると鼻血を垂らしており、顔を(ぬぐ)っていた。何かされたのか?こっちからは何も見えなかった。相手の男子はさっきまでの間の抜けていた雰囲気からピリッとした重い雰囲気に変わり、綺麗な金の瞳が鋭く光っていた。

 両者が動かず、一定の間合いを保っている。いつ動くのか分からない謎の緊張感が会場中にも伝わってくる……。先に沈黙を破ったのはリキくんだった。接近して剣を振るが、相手はまたしても避け、反撃の拳がリキくんに迫る。しかし、相手に蹴りを入れて寸前で相手を引き剥がす。相手ももう片方の手で蹴りを防ぎ、最小限のダメージに抑えていた。

 この戦い、同じタイプ同士の戦いだ。どちらも優れた身体能力と反射神経を持っている。リキくんと実技だけでまともに戦える生徒がいたことに驚きだ。

 金眼の子は蹴りを入れられた後すぐに俊敏(しゅんびん)な動きで接近し、蹴り返す。リキくんは剣で防ぐが、相手は空中で回転して裏拳を入れてきた。その予測できない動きに反応できず、まともに食らってしまう。そのまま金眼の子は追撃してリキくんを徐々に追い詰める。軽快な身のこなしにあらゆる角度から攻撃してくる変幻自在(へんげんじざい)な戦い方は動物的、もっと言えば猫のような戦い方だった。

 リキくんが翻弄(ほんろう)され続け、苦しい展開になってきた。勝てるのか?そんなことを考えてしまう時だった。急にリキくんが剣を相手めがけて投げつけた。剣を投げた!?一か八かにしては危険すぎる賭けだ。どうしてそんなことを?

「はあ……はあ……わかったぜ、お前の倒し方」

「?そんなボロボロで何言ってる?剣も投げてお前、おかしくなったのか?」

「いーや、これでいい。勝負はここからだ」

 すると、リキくんは金眼の子に突っ込んでいく。拳を振り抜くが、避けられてカウンターを食らう。ダメだ、状況は変わっていない!どうして、剣を手放してしまったんだ。これじゃ防ぐのも難しくなった。リキくんの顔を見ると、笑っていた。……え?

 リキくんは殴られた衝撃を推進力に変え、相手に裏拳を食らわせた。予想外の攻撃にふらつく金眼の子。

「お前の攻撃が避けられねえなら、もう避けるのを考えねえようにした。余計なこと考えない分、お前を倒すことに集中できるしな。後は、どっちが先に倒れるか我慢比べだぜ……!」

 ここから先は捨て身の殴り合いだった。殴られては殴り返し、蹴られては蹴り返す、子供の喧嘩だ。けれどその戦いは、誰もが真剣勝負の空気に息を()んでいた。そして、その永遠にも感じられた時間にも終わりが訪れた。

 リキくんの拳と金眼の子の蹴りが同時に入る。その攻撃を最後に2人ともその場に倒れる。

 あ、相打ち……。この場合はどうなるんだ?審判が2人の状態を確認し、少し考えた後、

「勝者、キトン!」

 うっ!負けたのか!どうやら相打ちになった場合、審判の裁量(さいりょう)で勝敗が決まるみたいだ。ここまで戦って負けるのは悔しいだろうな……。

 会場からは両者を()(たた)える拍手が起きていた。僕らも最後まで戦ったリキくんに拍手を送った。

 リキくんから闘志をもらい、次の試合の次鋒戦が今、始まる。

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