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23話 優勝決定戦2

 目の前の光景が信じられず、1回、目を閉じてもう一度確認する。……やっぱりあの大柄の男子だ。さっきやられて担架(たんか)で運ばれていったはずなのに……というか2回出場するなんてアリなのか?

「試合開始!」

「さあ、2対2の熱い展開です!18組は名勝負が多いですからね〜。今回もどんな展開になるのでしょうか?」

「そうですね、ロク選手は2試合とも我々を驚かせてくれましたからね。楽しみです!」

「また一方で11組の大将、ゴンタ選手は副将、ゴンジ選手の双子の兄ですから、弟がやられて闘志が湧き上がっていることでしょう!この勝負、どちらが勝ってもおかしくありません!」

 双子!?じゃあ、今のこの大柄の男子はさっきの大柄の男子と別人なの!?そんなバカな、顔一緒だけど!?

 僕は、理解するのを諦め、挨拶がわりの『疾風』を当てる。吹っ飛んでいった先で、背中を石化させ、身を守るゴンタくん。魔法まで同じなのか。となると僕の魔法はあまり効き目が無いだろう。それに魔剣術もあの硬さだと厳しいかもしれない。……あれ?結構ヤバい?

 ゴンタくんが土玉を飛ばしてきた。追い風を使って避けるが、土玉が軌道を変え、僕の方に追尾してくる。な、何で僕の方を追ってくるんだ?通常、魔法は直線か放物線を描いてしか飛ばせない。なのにこの魔法は不規則な動きで僕の方に追尾してくる。

「ゴンタ選手、土魔法を追尾させています!これは一体どういうことなのでしょうか?解説のハマちゃん」

「はい!これは、霊魔法で軌道を変えて追尾させているのでしょう。ゴンタ選手は霊魔法にも適正があると聞きましたから」

 また霊魔法か!霊魔法の相手には良い思い出がない。コーラ先生が『扱いが難しい』って言ってたのに僕の相手霊魔法ばっかりじゃん!とりあえずこの土玉を何とかしないと。

 僕は土玉を逆風で吹き飛ばしてみた。壁に激突した土玉は操られることなくそのままただの土へと還った。物に当たれば制御できなくなるのか。それなら、

 僕は逆風で全ての土玉を吹き飛ばして攻撃を回避した。何とか凌ぐことができたけど、問題はここからだ。僕の技が全て通用しない。石化の鎧に霊魔法の身体強化で魔剣術はものともしないだろう。ダメージを与えるには一撃の威力が高い技が必要だ。この鎧を破ったクウナさんがどれだけすごかったのかがよく分かる。

「お前さんの攻撃は効かんぞ!早く降参したらどうだ?」

「ぐっ……!」

 その通りだ、僕がダメージを与える方法がない。これじゃジワジワとやられるだけだ。硬いのにどうすればダメージが通る?

 僕が考えていると、ゴンタくんが石化した腕で僕を叩きつけようとしてきた。

「うわっ!!」

『ボガンッ!!』

 咄嗟(とっさ)に避けると、殴られた周辺が(くぼ)んだ。こんなの食らったら一撃でアウトだよ!考えろ!何かないか!相手の攻撃を利用する?……だめだ、思いつかない!……いや、待てよ?相手の攻撃?そうだ!もしかしたら、これなら!

 僕は広範囲に風の(うず)を発生させた。そこらじゅうに落ちている土を巻き上げて砂嵐を作った。

「むっ!目眩しか!そんな無意味なことを!どこだ!」

 僕はこっそり背後に周り、ゴンタくんの首元に腕を蛇のように絡ませて思い切り絞め上げた。

牛頭(ごず)落とし』

 僕がフミさん(8組大将)にやられた脱出不可能の絞め技だ。しっかり決めてしまえば腕力の差があっても抜け出すのはほぼ不可能だ。

「ごっ…がっ!!」

 苦しみながら首元を石化させるゴンタくん。石化して絞めを逃れようとしているのだろう。だけど、ゴンタくんは石化しても苦しんでいた。

 確かに、絞めを逃れるなら石化は効果的だろう。しかし、それは絞められる前の時の話だ。絞められた後に石化しても中の血管は絞められたままの状態になる。よってこの技が決まった瞬間、逃れることはできないのだ。

「柔よく剛を制すってね」

 昔、偉い人が言った名言らしい。誰かは知らないけど。

 ゴンタくんが気絶した所で、

「勝負あり、勝者ロク!」

 審判の終了がかかった。

「試合終了!3対2で18組の勝利!」

 よし!僕らは皆で円陣を組んで喜び合った。しかし、

「次の試合、18組対1組の試合を10分後に行います!皆様もうしばらくお待ちください」

 僕らに地獄の連戦が待ち受けていた。

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