18話 絶体絶命
「続きまして、Aブロック2回戦、3組対8組の試合を始めます!両者試合場の中に入って参ります。今度の試合はどちらが勝利を手にするのか?」
「試合開始!」
先鋒の試合が始まり、僕とウンスイくんは次に上がってくる対戦相手を観察していた。
ざっと両チームの代表選手5人を見てみると、3組は体格の良い子が多く、8組はなんと女の子しか選手がいなかった。
「この試合、どっちが勝つと思う?」
「え?」
僕の隣で試合を眺めてたウンスイくんが急に質問してきた。どちらかというと僕を試しているような感じだけど。
「う〜ん……3組の子かな?今だって追い詰めていってるのは3組の子だし」
「ふむ、じゃあ俺は8組に賭けよう。負けたら、勝者の言うことを1日だけ聞くというのはどうだ?」
「えー!これ賭けだったの?だったらもっとちゃんと考えたのに!」
「ふふっ」
僕らの一連のやり取りを見てクウナさんが笑う。今日も癒されるなー。
「キャー!!」
甲高い悲鳴に僕はビクッとしながら試合場の方に向き直る。すると、さっきまで優勢だった3組のゴリくん(今名付けた)がその悲鳴で攻撃を躊躇した。そこから待ってましたと言わんばかりに8組の子が土玉をゴリくんの顔面にクリーンヒットさせた。その衝撃でゴリくんは気絶して倒れてしまった。
「ま、負けた……」
「あれは演技だな、か弱いフリをして相手を油断させてこの瞬間を狙っていたんだろう。仮にも代表選手であの程度の攻撃で苦戦するとも思えなかったからな。…これでロクの1日奴隷権ゲットだな」
「奴隷って……変なことやらせないでよ?」
「フッ…ハハッ!まあ、考えておこう」
ウンスイくんのメガネが妖しく光っている……!瞳が見えないのがさらに恐怖を感じさせる。この賭け、絶対負けるべきではなかったと僕の中の危険信号が反応していた。
2回戦の結果は2対3で8組が勝ち上がった。実力では3組の方が強いと思うが、8組の作戦勝ちといったところだ。
「ロクも女だからといって手加減するなよ?お前は騙されやすそうだからな」
……否定しきれない。僕も初見だったらあの演技に騙されたかもしれない。今見ておいて正解だった。
残りの3、4回戦も決着がつき、結果はこのようになった。
「さあ、Aブロック準決勝が始まります!続いての対決は、あの圧倒的な強さを見せた18組と可憐な乙女達の8組です!解説のハマちゃんはどちらが勝つと思いますか?」
「そうですね、やはり、18組ではないでしょうか?1回戦で見せた試合にはまだまだ余裕があったように見えました」
「なるほど、私は8組に勝って欲しいですね。やはり、戦闘には華がないと見栄えしませんから」
「タモさん?」
「し、失礼しました!それでは、先鋒戦スタートです!」
リキくんがいつものように先手必勝で駆け出していく。3組のハニトラちゃんはリキくんの前で身を屈めて、あの時のように悲鳴をあげる。リキくんはその反応に呆気にとられ、彼女を心配して動きを止めてしまった。あ、このパターンは……。
「バカ!嘘に決まってるでしょ!」
ベニエさんの助言も虚しく、リキくんの顔面に特大の土玉が炸裂した。しかも、3発も。
「勝負あり!」
会場は予想外の番狂せに熱狂していた。リキくんが負けるなんて僕も思わなかった。リキくんは前回の試合を見てなかったのか。明日は我が身のその光景に、油断してはいけないと心に誓った。
「次鋒、前へ!」
次鋒が審判に呼ばれ、ベニエさんが前に出る。正直、ベニエさんならハニートラップも通じないし、安心して見れる。
「試合開始!」
開始早々、ベニエさんは相手の子に炎弾を飛ばしていく。相手も負けじと同じ炎弾で相殺する。確か、相手の子も火魔法を使っていたな。そうなると魔法の乱打戦になると予想できる。だったらベニエさんの得意分野だ。実は、僕らの中で魔法の扱いが特に上手いのがベニエさんなのだ。
予想通り、魔法の乱打戦になり、数、威力、発動スピード全て、ベニエさんが上回っていた。
ここまま押し切れる。そう思った時、突然、ベニエさんが宙に舞った。なんと、地中から炎弾が飛んできたのだ。よく見ると、ベニエさんがいた場所には小さな穴が空いていた。
やられた!相手の子は土魔法でトンネルを作って死角から炎弾を放ったのだ。
空中に飛ばされたベニエさんは相手の放っていた追加の炎弾にさらに被弾した。
危険と判断したのか審判が試合を止めてベニエさんは敗北してしまった。
いきなり、2連敗してしまった僕らは、もう後がなくなってしまった。8組、どうやら僕が思っている以上に手強いのかもしれない……!
分かりづらくて申し訳ないのですが、試合の流れは、Aブロックで上位1チームを決めてからBブロックに行きます。そして、Bブロックで上位1チーム決まったらCブロックに行くという流れです。
なので、まだBとCの試合は始まっていません。




