16話 秘密の特訓
クウナさんが練習に参加するようになってから1週間が経った。その間で気付いたことがある。僕、弱くない?薄々気付いていたけど、勝率が0%なんだよね。
ウンスイくんとリキくんはともかく、ベニエさんとクウナさんに負けるのは流石に堪える。特にクウナさんにあんなに偉そうに戦いの意味について力説したのにその本人が負けているのは結構恥ずかしい。
……決めた。僕の新技を考えよう。
今日の練習が終わって、夕食を食べた後、寮の裏にある広場にやってきた。ここなら練習にちょうどいい。
まず、僕の敗因は技の乏しさにある。僕のできることは『追い風』、『逆風』この二つの魔法と、魔剣術だ。魔剣術は僕の必殺技とも呼べる強い技ではあるんだけど最大の弱点がある。それは、魔剣術はその場でしか使えないというものだ。追い風、逆風をタイミングよく使用するために集中がいるのと、剣だけに風を使うのは座標がブレやすいため移動しながら発動できない。間合いから離れられたら魔剣術は使えなくなるし、距離詰めたら詰めたで魔剣術使う前にボコボコにされる。
この際、魔剣術は追撃のチャンスの時にだけ使ったほうが良さそうだ。
後は、攻撃に使える魔法が『逆風』だけだということ。一回、範囲を極力絞ってかまいたちのように飛ばせないか試してみたんだけど、全く切れなかった。飛ばしたところで途中で霧散するだけだった。
それらを解決できる新技……どうすればいいんだ?
「ロクの攻撃って見え見えなんだよな」
「ハアハア……そうなの?」
「ああ、最初は驚いたけど、今となっちゃ、あ、来るなっていう感じがわかるんだよ」
特訓から2日後、なんの成果も得られないまま、リキくんとの練習試合中にダメ出しをくらった。もはや僕との戦闘中では動かなくても勝てるようになってしまった。
「ん〜移動は早いのにそっから攻撃に移るのが遅すぎて攻撃してくださいって言ってるようなもんだぜ?」
「そっか…なるほど……」
今の僕に必要なものがわかったような気がする。この日も安定の0勝4敗を決めて、秘密の特訓へ迫る。
春後期(6月)に入り、代表戦まで残り1日となった。最後の練習試合をする。結果は……3勝1敗。特訓の成果はバッチリだ。
明日からついに代表戦が始まる。




