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13話 台風の目?

「先生、ちょっといいですか?」

「ん?どうした?ロク」


 皆が解散した後、僕は気になってたことを質問した。

「どうして僕が大将なんですか?」

「あ〜、(かん)だな」

 え?どういうこと?


「勘?」

「そう、勘。ロクが大将だと何か起きそうだと思ったんだ。実力的にはクウナの方が良いかと思ったんだけどなぁ。あの子はあまり向いてなさそうだしな」

 クウナさんってそんなに強いの?あの性格からは想像できないけど。


「案外、代表戦を引っ掻き回す台風の目がお前だと思っている。だから楽しみにしてるぞ!」

 先生は僕を面白人間だと思っているらしい。確かに先生からしてみれば、変な風魔法で一撃入れたり、勝手に剣術に魔法入れ込んだり、常識無い行動してるんだろうな。代表戦でも奇天烈(きてれつ)な行動を見たいがために僕を入れたってことか。なんだろう、僕だけ変なプレッシャーあるのは気のせいか?


「わ、わかりました。とりあえず、頑張ってみます」

「おう、頑張れ!」

 と言ってニカっと眩しい笑顔を向けてくる。ホント爽やかだ。喉乾いてくる。



 休憩時間中にまた見覚えある子を見かけた。あの白銀の子だ。向こうもこっちに気付いたようで軽く挨拶する。

「あ、元気だった?」

「うん……ロクは?」

「僕は…複雑かな。代表戦選ばれて嬉しいけど、何だか選ばれた基準が面白枠(おもしろわく)というか何というか……」

「ロクも選ばれたんだ」

「『も』ってことは……えっと……」

 まずい名前聞いてないこと忘れてた。どうしよう会話の流れが……。


「うん、私も選ばれたよ。……戦えるといいね」

 そっか、選ばれたということは戦うかもしれないのか。あの氷結地獄をまた浴びるかもしれないのか……どうか絶対に当たりませんように。


「う、うん。そうだね」

 そう言って謎の沈黙が流れたので多少強引に別れてクラスに戻ってきた。僕はウンスイくんが席にいることを確認すると気になっていたことを聞いてみた。


「ウンスイくん、気になっていたんだけど、もしかして魔剣術のこと知ってて僕にやらせたの?」

「……!どうやら気付いたみたいだな」

 やっぱりそうだったのか。


「ああ、剣術が苦手だって聞いた時からやらせようと思っていた。どうせ、テストでは不合格になるだろうが、先生ならテストの成績より実力をみてくれると思ったからな」

「だからやらせたのか〜。…やっぱりすごいね!」

「すごいのは、お前の方だけどな」

「え?何で?」

「……まあ、馬鹿正直に俺に従ったことがな……」

「それはバカにしてるなぁ」

「……それだけではないがな」

「え?なんか言った?」

 小さく何かを(つぶや)いたような気がするが、何と言っているのか聞こえなかった。


「意外と抜けてるなと言ったんだ」

 悪口かい。聞き返さなきゃよかった。

 軽く雑談を話したところで授業の時間になり、自分の席に戻った。



 放課後、リキくんから皆で手合わせしないか誘われた。

「ロクも来るか?女子以外は行くけど」

「別にいいけど……女子たちは断ったの?」

「それがな?ベニエは行こうとしてたんだけど、クウナが行かないっていうからベニエも行かないってさ。チームでやることに意味があるのにノリ悪いよな?」

 クウナさんが?やっぱりあまり乗り気じゃなさそうだ。どうしてだろう?


「う、うん……そうだね」

「とりあえず、武道場行こうぜ、ウンスイ先に行くってさ」

「わかった」

 この後、手合わせを総当たりで行った。僕は0勝2敗だった。ウンスイくんには動き読まれるし、リキくんには速攻で負けたし、2人とも強すぎ。



 次の日の休日、ボコボコにされた身体と心を(いや)すために昼までゴロゴロしていた。

 でも、せっかくの休みだしどこかに行こうかな。また未知の魔道具でも探しに行こうか?特に目的もなく外に出ようと玄関前に行くと、クウナさんがいた。


「おはよう、クウナさん」

「え?もうお昼だよ、ロクくん」

 そう言ってふふふっと笑うクウナさん。ああ、癒されるなぁ。いつものクウナさんで少し安心した。


「ロクくんはどこかにお出かけ?」

「うん、暇だから街に行こうと思って」

「そうなんだ!私もお買い物したくてちょうど街に行こうとしてたの。途中まで一緒に行く?」

「…………え?」

 急にクウナさんとデートすることになった。

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