11話 不合格!?
『問題1』
『一年中寒い北の大地の地方名は何ですか?』
A. ヒョウガ
B. エバーグリーン
C. メタルマウンテンズ
D. サンドリア
これは簡単だ。答えはAだ。ちなみにウンスイくんの出身地らしい。
座学に関しては特別授業のおかげでそれほど苦しまずに解けた。最後の問題に目を通すと、
『問題30』
『コーラ先生の好きなところを答えなさい(複数回答あり)』
………爽やかな所。
座学が終わり、残るは実習科目である、魔法と実技だ。魔法は自分が一番得意な属性の威力、連射、距離それぞれの基準が上回ればいいというシンプルなテストだ。実技は選択した2つの武術の中から1つ選んで演武を披露する。
出席番号順に呼ばれていき、ついに最後である僕が呼ばれる。
「ロク、緊張してるか?」
「…はい」
評価は担任の教師が行う。コーラ先生はいつもより落ち着いた声色で聞いてくる。普段元気な人が真剣になると余計に空気が重くなる気がする。
「大丈夫だ。いつも通りにな」
「…はい」
「まずは、魔法からだな。いつでもいいぞ」
僕は深呼吸を2回繰り返す。個人的に1回と3回より2回する方が落ち着きやすい。
「いきます!」
僕は風魔法を放つ。威力重視の風、連射重視の風、長距離まで届かせる風これだけで魔法のテストは終わる。
コーラ先生の方を見ると、すごく真剣な表情で何かを紙に書き込んでいる。すると、
「……魔法テストは終わりだ。少し連射力が低いな。次は実技に入るぞ」
淡々と進むコーラ先生を見て正直不安しかなかった。僕の魔法はダメだっただろうか?
「ロク?大丈夫か?実技できそうか?」
「……!はい!すみません、大丈夫です」
途端に自信がなくなってきた。一番得意な魔法であの感じだと、僕の付け焼き刃の実技では落とされるんじゃないかとどんどん悪い方向に考えてしまう。
……いや、ここまできたらもうやるしかない。今できる最大の動きを先生にぶつけよう。
「いきます!」
剣術の演武を始める。僕は剣に風を吹かせて速度を上げる。練習同様、荒々しい剣技になる。だが、剣筋は演武の型通りになんとか収まっている。今の僕にはこれが限界だ。ガタンと大きな音が途中で響いたが、なんとか集中を切らさず最後までできた。
先生の方を見ると、何やら気まずそうにしている。やはり、ダメだったか。
「ロク、申し訳ないがそれは剣術ではなく、魔剣術に入るんだ」
え?嫌な予感がした。
「これでは点数をつけられない。もう一度最初から頼む。もちろん魔法は無しでな」
終わった。
「……はい、すみません」
この後の結果は言わなくても分かるだろう。非常にグダグダだった。以上。
最後の生徒の実習テストが終わり、訓練部屋から退出していく最後の生徒。なんだか自信なさげな顔をしていたが、本人的にはいい結果ではなかったのだろう。
「ふう……」
ようやくひと段落したとため息を吐いた。
「まさか、最後の最後にとんでもないのを見せられたよ」
つい独り言を呟く。それもそのはず、最後の生徒が見せた演武、『魔剣術』は危険性が高く、2年からしか選択できない科目だ。それが入学して2ヶ月もたたない生徒が使うなんて信じられない。動きは拙かったが、あの速度とコントロールは魔剣術と言えるレベルであった。びっくりして机に足ぶつけたぞ。
面白い子だと思っていたけど、ここまで予想を裏切られたのは初めてだ。
最後の生徒の実習項目に目を通す。
出席番号 54 名前 ロク
魔法 威力 100 計 255/ 300 判定A 合格
連射 60
距離 95
実技 剣術 39 判定D 不合格
魔剣術 66 判定C 合格
これどうやって採点すればいいんだ?




