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10話 対策と傾向

 僕たちは放課後に代表戦勉強会のためにまた図書室に来ていた。

「早速だが、魔法と実技の自信はあるか?」

「う〜んと、魔法はなんとかいけそうだけど、実技はちょっと……」

「なら、実技からいこうか。何が苦手だ?」

 僕は、ウンスイくんに苦手なことをかいつまんで教えた。

「……筋力不足だな。筋トレを今日から寝る前に10分はやるべきだ。あとは、風を使ってみたらどうだ?」

「風?魔法を使うの?」

「ああ、演武の評価項目はあくまで型通りに動けているかどうかだ。魔法の使用は禁止されていない。剣術での振り遅れも風で補えばいけるだろう。むしろ、上手く魔法と合わせられれば代表戦への大きなアピールポイントになる」

「おお……!確かに!」

 実技で魔法を使うなんて考えたことなかった。こんな事をすぐに思いつくなんてすごいな。僕よりよっぽど発想力高いよ。

「では、練習しに武道館に行くぞ。テストまでに間に合わせないといけないからな」

「分かった!」



 実技練習のため武道館は放課後でも解放されているが、武道館は人で(あふ)れていた。

「それじゃあ、剣術の演武から始めるぞ」

「押、押忍(おす)!」

 ウンスイくんの目の前で演武を始める。フラフラとした演武を終え、問題点を明確にして批評してもらう。

「最初は良いが、徐々に遅れてきているな。振り切った後、剣に持っていかれ過ぎてるからそのせいで遅れてくるんだ。筋トレは後でいいからまずは体幹を鍛えろ」

「は…、押忍!」

「今度は魔法を使いながらやってみろ。遅れそうな時に少しだけ使って速度を調節するんだ」

「押忍!」

 結果は大失敗。使ってもむしろ風に振り回されるようになっただけだ。

「そんなに強く使う必要はない。ちょっとでいいんだ」

「うん、分かっているんだけど……」

 僕の風魔法の1ヶ月の成果は、追い風の速度に慣れ、ケガする回数が減った。コツは着地に一瞬逆風を使うことだ。あとは風を起こす範囲を絞れるようになったことだ。範囲を絞れるようになったおかげで剣にだけ風を吹かせることはできるのだが、問題はその威力だ。その調節はまだ苦手なので強すぎたり、弱すぎたりする。剣の速度を上げようと思うと無意識に強く放ってしまう。しかし、演武ができる程の筋力を今から身につけるのは厳しい。この調節に慣れるしかない。

 そうして、特に進展が無いまま、今日の勉強会は終わった。



 2日目、3日目になっても特に進展が無いままだった。どうしても威力の調節ができない。体幹を鍛えても風の調節ができないんじゃ意味がない。ウンスイくんにも、

「こればっかりは慣れてもらうしかない」

 と言われた。陰りが出てきて焦ってしまう。何かいい方法はないか?僕が学んできた使い方は範囲を絞るのと追い風…………ん?そうだ、確か追い風を使った後に一瞬逆風を使うと着地しやすくなるのを見つけたんだよな。追い風に逆風……もしかしたら使えるかも知れない。

「ウンスイくんもう一回やってみてもいい?」

「ああ、構わない」

 僕はまた同じように演武をする。ただいつもと違ったのはその演武がとても荒々しく、剣の軌道がメチャクチャになったことだ。とはいえ、演武の剣の速度に追いつくことはできた。

「なるほどな、面白い発想だ」

 ウンスイくんは僕が変えたことを理解したようで感嘆(かんたん)の言葉を()らした。

「うん、威力の調整ができないならいっそ、その威力のままやろうと思って。剣の速度を風で上げたら、速度を落とすのも風でやればいいんだと思ったんだ。まだ綺麗にできないけど」

 追い風と逆風を同時に使う感覚とほぼ一緒だ。とはいえ、まだまだ完成度は低い。何回も練習して剣を振る瞬間で使えるよう練習あるのみだ。



「おはよう」

「ああ、調子はどうだ?」

「緊張してるよ、お腹モヤモヤするし、体震えてるし」

「始まればじきに(おさま)る。そんなこと考えてる暇ないからな」

 僕らは軽い挨拶を交わし、お互いの席に着く。

 少ししてコーラ先生が教室に入ってきた。

「皆、おはよう!今日は待ちに待った中間テストだー!」

「「待ってませーん!」」

 ブーブーとブーイングが鳴り響く中、開始のチャイムが鳴る。

「さあ、テスト開始!」

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