エピソード ネコさんは、世界を救う⁉
「ちょっちょっとユウキ・・・もうっ!どうやってするのよ!」
テレビドラマのように、切られた電話にむかって感情をぶつけていた。
「ちょっとあんた、そこから降りられないの?それにお腹減ってんの?我慢できないの?・・・あっ!そうだった。そう言えばあんたにいってなかったわね。私はあんた達猫が大大大大大嫌いなのぉ。わかった?だからもう・・・あぁもうどうすのよユウキィ!」
ミズキは猫は嫌いだが、目の前で困っているであろう動物(ネコのジョン子)を無視することはできないのであった。
「まずはどうしよう・・・・。どうやって奴をカーテンから下ろすかよ・・・。ユウキはだき抱えればいいなんて簡単に言ってるけど、奴の鋭い爪で引っかかれたらどうすんの!・・の前にどうやって近づけばいいのよ!あぁやだヤダ。・・・まっまってまって!二階に猫部屋があって、そこに餌だの水だの全部あるってユウキが言った・・・・。つまり猫は今ここで動けないでいるから・・・。そうだミッションを順序立てれば問題も浮かび上がってくるはず!
①猫に引っかかれないように完全防備をする。
②餌をトレイに入れる。
③トイレの掃除。
④猫をカーテンから下ろす。(問題山積)
⑤猫を二階に追いやる。
⑥さっき作ったパーテーションを階段に取り付ける。
完璧!・・・」
ミズキはカーテンに捕まっている猫を横目に玄関に入っていった。
「フフフ安心!さぁ片付けてしまおう!」
ミズキは防護服を着込むと気を引き締めて二階へと向かった。
「なんだエサあるじゃない!トイレは・・・と綺麗なもんね!えっあいつ大丈夫なの病気かなんかしてない?」
「ごめんください。ノラネコ宅急便です」
「はぁーい」
ミズキは急いで階段を降りて玄関に向かった。
「うわぁっ!どどろぼう!」
「ちっちがいます!家のものです。ほらぁ」
ミズキはヘルメットを取って顔を配達員に見せた。※だからどうなんだって感じですが・・・
「・・・す。すみません!しっ失礼します・・・ハハハ」
「・・・ハハハ」
ミズキはジョン子対策として合羽で全身を防御して手には軍手をはめ、その上からゴム手袋をはめ、顔にマスクをそして頭全体を覆うフルフェイスのヘルメットをかぶった状態で2階からおりてきたのだった。
「ヤバいこれはヤバい!変なとこ見られた!もう玄関鍵かけとこ」
猫のジョン子が足元でミズキを見上げていた。
「しぃまったぁあ!宅急便の受け取りで完全に忘れていたぁ・・・あんたカーテンに捕まってたんじゃなかったの」
「にゃぁ〜」
「ヒィィィィ。どうしよ・・・?」
ミズキは猫を2階から降りれなくする為のパーテーション(猫防護柵)をを作っていた。それを仕切りに、ジョン子を階段に追い込む事を思い付いた。
「まずこの柵を持ってっと・・。それから柵を盾にしながら階段に猫を追い込むっと。完璧じゃない⁉︎」
ジョン子は階段へと少しずつ後ろに下がっていった。ここまではミズキの思った通りの展開になっていた。
「さぁここからが問題だよ!どうやって猫を階段に登らせるかだよ!」
ミズキはさらにジョン子を階段に追いやり、ジョン子を階段近くまで追い込んで行った。
「我ながら完璧じゃない!フッ。猫も私にかかればどうって事ないじゃない」
するとジョン子は、ミズキにお構いなくと言わんばかりに、リビングの方へとスタスタと歩いて行った。
「もっ。そっちじゃない・・・。はぁ〜・・」
ふぁんふぁんふぁん
「パトカーの音だ!なんかあったのかな?」
ドンドンドン
「えっ。はい?」
「警察です」
「・・・・・」
ドンドンドン
「すぐに玄関を開けてください」
「やばっ!こんな格好じゃ・・・」
ドンドンドン
「玄関をぶち破るしかない」
「い、今開けます」
ミズキは仕方なくジョン子対策の格好で警察の対応をした。
「・・・けっ警察です。通報通りの格好の容疑者発見!!」
警察はミズキを見るなり無線機で本部に報告していた。
「ちょっ。ちょっと違います。容疑者なんかじゃありません」
「??・・えっ?失礼ですが・・・あっあなたは?」
「はい家のものです!!」
「あのぉ〜つかぬ事伺いますが、何故にその格好をされていますか」
「えっ・・・そっそれはその・・・・」
(やばい猫が怖くてなんで言えない)
「やっぱり怪しいですねぇ!一度警察までご同行願いますね。」
「なんで家にいただけて警察に疑われなきゃならないんですか?」
「先程こちらに怪しい格好をした人物が家から出てきたと通報がありましたから」
「家でどんな格好してもいいじゃないですか!」
「まぁそうですが・・・すみませんが貴方がこちらの方という証明できるものが何かありますか?あと他に家の方はいらっしゃらないんですか?」
「い家の者は仕事に出ています。あと免許証ならありますけど・・」
「どこにあるんですか?」
「車の中ですが・・」
ミズキは、ジョン子対策の警察官につきそわれ免許証を車から取り出して免許証を見せた。
ざわざわ
(うわぁさいあく・・・ご近所中が集まってる・・・)
パトカーのサイレンの音にご近所が遠巻きにいえのなかを覗き込んでいた。
「んー。間違いないようですね・・・。失礼しました。すみませんがあまり変な格好で出歩かないよう願いますね」
そういうと、警察官は足早に帰っていった。
「なっなんなの、誰が出歩いたっていうのよ。もう最悪だわ」
警察が帰るとご近所の野次馬も姿が消えていった。
『姉のミズキです。もう正直言って疲れました・・・。だって、警察だのノラネコだの猫だのと。ふつうはもっとこっちの言う事聞くと思いません!どいつもこいつも全然いうこと聞かない・・・。朝からずっとあの猫のペースで・・・さいあくの1日だわ』
その日は、夜の9時頃ユウキが帰宅して来た。
「あれぇ〜家が真っ暗だ!ただいまぁ。お姉ちゃん」
「にゃ〜」
「ジョン子ただいま!お姉ちゃんご飯の事してくれた?」
「にぁ〜」
「そう!よかっわね」
『妹のユウキです。よく猫ってなに考えているか分からない!って聞くけど、まったくそんな事なくて言葉はわからないけどまぁ大体わかりますよね!ただたまにどこか一点を見つめていたり、突然走り出したりした時は全く分からないですけどね!』
「ただいまぁ。あっユウキ帰ってたの・・・」
「お姉ちゃんどこ行ってたの?」
「まぁこれからの猫との闘いやこれからについて街をぶらついてたの」
『妹のユウキです。闘い!ぶらつく?つまりジョン子ちゃんから遠ざかったのね!』