エピソード ネコさんは、世界を救う⁉
『妹のユウキです。早くお母さんたちが帰ってくれないとお姉ちゃんがやばいな・・・。まぁでも何とかなるでしょ!あっそうだった!お姉ちゃんに連絡しとかなきゃ』
ピン
「ユウキからチャットだ!『お姉ちゃん今日会社の方達とミーティングと称したお食事会が急遽決まりました。夕ご飯先に食べてください。あとジョン子ちゃんのことよろしく❤️』・・・ってどうすんのよ!」
ミズキはこの後永遠に続く猫との闘いを思うと、このままどこかのビジネスホテルででも宿泊しょうかと考えてしまっていた。
※永遠の闘い=わずか数時間、同じ家にいること。
ふと何かを思いついたミズキは家とは反対方向に車を反転させた。
「ありがとうございました!」
車いっぱいになるほどホームセンターで買い出しをすると急いで家に帰ってきた。
トントントン、サーサー、ギーコギーコ
家に帰ったミズキは庭先に先程買った物を持ち込むとノコギリや金槌を使ってDIYを行った。
「こんな事するのって中学生以来だよ!あの時は、学校の屋上階段の踊り場で作業したっけ!一週間泊まって作業したなぁ、まぁあれに比べたらこんなもんかんたん簡単」
夕方の早い時間に作業を終えたミズキは、庭先で座り込みさっき買ったハンバーガーを頬張った。
ズズー
「コーラもうないや。部屋に何か飲み物あったはず。ん?うわぁっ!あんたどこ登ってんのよぉ?って。どうすんの!早く降りてあっちいって・・・。んっ!まてよ。今そこにいるって事は!」
ミズキは作業に集中していた為気づかなかったようだ。窓越しに猫のジョン子がカーテンによじ登って降りられなくなっていた。そして、ミズキに助けを求めてもがいていた。ジョン子は外で作業をしているミズキを見てカーテンをよじ登れば外に出てミズキを近くで見られると思ったのかもしれない。
ミズキが作業道具を片付け終わってもジョン子はカーテンからずっとミズキを哀しそうな目で見つめていた。
「なになになに?私がなにしたって言うの?あんたまさかカーテンから降りられなくなって助けを求めてるの?」
ミズキは妹のユウキにチャットして解決しようと考えた。
ピン
(うわぁお姉ちゃんからチャットきたよ。『猫が家の中から私に助けを求めてずっと見つめてるんだけど・・・どうしよう!お助けヘルプミイ』)
ユウキは自席を立ちトイレに行くふりをして、廊下からミズキに電話をかけた。
「あっお姉ちゃんどうしたの?うんうん・・・それで・・・あぁそんなのジョン子ちゃんを抱き抱えてやればすぐ下ろせるから!あと、ジョン子ちゃんにご飯もあげてね!」
ユウキは、ジョン子のご飯のことを説明して電話を切って自席に戻った。
『妹のユウキです。お姉ちゃんには悪いけどジョン子もたまにはイタズラするから!それにお腹だって空くし、喉も乾くし、トイレだって行くんだから・・・家族なんだからお世話したっていいじゃない。ねぇ!』
『姉のミズキです。なっなに言いだすの、わたしが猫を・・・そんな事できないわよ』