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49 無限ジョウロ計画スタート。お昼ご飯はキョフテと豆のサラダ!

 材料を採って村に帰ると、ミミと村の子どもたちが遊んでいた。真ん中にいるのはポチだ。

 代わる代わるポチに乗って駆け回っている。

 うん、巨大な猫にまたがる子どもたち、脳みそバグりそうな光景だ。


「キムランおかえり」

「ただいまー。ポチに遊んでもらっていたのか」

「ちがう。わたしはおかあさんだから、ポチのあそびあいてになってやってる」

「そっかー。さすが母さん」


 もうポチが弟ってとこにツッコミはしない。オレはいい息子だから、ミミかあさんに逆らわないのだ。


「ごはんにするか?」

「そうだねー。桶を作るところからはじめないとだから、ちょっと時間かかるし、先にごはん食べちゃおうか」

「よし、まってろ」


 ミミはポチの背から降りて、家に走っていく。

 ポチは何か物言いたげにオレをじーーっと見ている。あ、もしかして(ごはん)ですか。


 オレはお兄ちゃんだから、弟のごはんを用意してあげないとね……うん。掘り起畑の片隅をクワで掘り返して、泥だんごを作る。

 作ったそばから食べていくポチ。


「え、なに、ポチのごはんって土なの?」

「そだよー」


 子どもたちが興味津々で集まってきた。土を食べるネコ、珍しいもんね。私たちもやるー、と自らクワを持って手伝ってくれる。

 たくさんごはんをもらえて満足したポチは、庭にねころがって日向ぼっこをはじめた。

 ネコって自由でいいなぁ。


 家に帰ると、フライ返しを持ったミミが振り返る。


「ちょうどいい。キムラン、てつだえ」

「はーい。何すればいい?」

「サラダつくって。そこにマメがある」

「はーい」


 フライパンの中ではコロコロと何か焼かれていて、肉が焼けるかおりが漂ってくる。

 すでに煮てあるピヨ豆をはじめとする白い豆や緑の豆。畑で取れたからと村長がくれた野菜も切って加えようか。


 手と野菜を洗ってから、野菜をまな板に乗せる。

 中が空洞の、ピーマンかパプリカの仲間っぽいやつだ。ピペ、だったかな。

 半分に切って種を取り除いて、1センチ角にする。豆とよく混ぜたらドレッシングを作ろう。

 ナッツのオイルに塩とスパイス、すりおろした豆とハルルの花の蜜を溶く。


 盛り付けた豆サラダにドレッシングをかけて出来上がり。


「おっし出来た! ミミの方は?」

「できた。こんしんのできだ」


 ドヤァ、とミミが皿に乗せたのは、ハンバーグ? ひき肉で作られた平たい楕円の焼き物だ。


「キョフテという。レクサスとスライムのにく

、パンをまぜてつくった」

「おおおー。キョフテっていうのか」


 オーブンでパンを軽くトーストして、ミミ家のキョフテ&豆サラダランチ完成である。


 テーブルに並べてお祈りしたらいざ実食!

 まずはミミの作ったキョフテにフォークを差し込む。ふんわり柔らか。しっかりと火が通っていて、肉汁がたれる。


「はむ。むぐむぐ。うんまーい!!」

「キムラン、うるさい」

「だってうまいんだもん」


 それも、みんな大好きハンバーグよ。異世界でハンバーグを食べられるとは思っていなかったよ。コクのあるレクサス肉に、ぷるんとしたスライム肉が柔らかさと弾力を与えている。

 単品でもうまい肉たちは混ざり合うとさらにうまいんだな。よだれがとまらん。


 オレ作のサラダも食べてみよう。ドレッシングが絡んだ豆をスプーンですくって一口。

 ドレッシングが甘ずっぱうまい!

 ほっくりした食感の豆たち、シャキシャキのピペ。見た目が彩り鮮やかでさらに美味しい。最強かよ!


「どうだ、ミミ。サラダうまいか?」

「もっもっも」


 ほっぺを豆でいっぱいにして、ミミはひたすらサラダを口に詰め込んでいる。サラダの皿が空っぽになって残念そうに器を見ているから、オレの皿をミミの方に押し出す。


「オレ、キョフテでお腹いっぱいで食べきれないから、サラダはミミにあげる」

「そうか、しかたない。のこすくらいならたべてあげよう」


 仕方ないなーと言いつつニッコニコでサラダを食べるミミ。かわいい生き物だ。次にこのドレッシングでサラダを作るときは、ミミの分を多めに持ってあげよう。

 ごはんを食べたらジョウロ作りが始まる。


 ビリー主導で、毎日ノコギリで板とカラカラの枝を切って組み立て、ユーイさんの指示で内部に魔法具を埋め込む。

 そうして一週間で三十個を作ることができた。

 あとはこれを町に売りに行くだけだ。


 ちょうどいいタイミングでファクターが村に立ち寄ってくれたから、ファクターに十個託した。

 村発展計画の一環であることをファクターも応援してくれて、ファクターを無限ジョウロ専属契約の商人に指名した。

 これは無限ジョウロの偽物を売る人が現れたときのための対策だ。ファクターと村人以外が売っているならそれは偽物。


 遠方の町へはファクターが行商してくれるから、残り二十個は自分たちで売りに行くことになった。

 この世界にインターネットや電話がないから、実際に見てもらってその場で売る。

 宣伝とパフォーマンスはユーチューバーであるオレの得意分野。頑張らねば!

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