弁天様の罪
「神、辞める!?鳥居、ちゃんと立ってますけど!?本家に行くんですか!?
辞める!?神って辞めたきゃ辞めれるんですか?俺、なんか間違ったことしました?実は神でいること嫌だったんですか?俺が無理強いしてたんですか?
え?待って!なに?どゆこと?」
パニック!!!
俺は今まで何をやってきたのか?
俺が何かをやらかしてしまったのか?
「たかにゃん、パニクリすぎ〜ウケるwww」
いつもと変わらぬ弁天様。
落ち着け!冷静になれ!
「弁天様、俺にもわかるように説明してください。」
「ごめん。うちのせいなの。たかにゃんは悪くないよー。ちょっと、真面目な話するから、弁財天に戻るね。」
と言うと、弁天様はギャルではない姿になった。
「わらわは、罪を犯してしまった。」
「罪?」
「神には、決まり事がある。お供物には手を出さぬ事。神の前に出されたものは全て供えものである。それらを口にしてはならぬのじゃ。」
弁天様は、うちで食事を共にしていた。よく食べていた。それが罪なら…俺が…
「勘違いするな。隆洋のせいではなく、わらわの罪じゃ。知りながら、わらわは食していたのじゃ。」
「なんでっ!ずっと弁天様でいる覚悟があるって言ったじゃないですか!今まで俺がしてきた事は全部意味がないって事じゃないですか。なんで!弁天様!酷いですよ!」
「そちに会って、思いの外楽しかったのじゃ。わらわの選んだ道じゃ。我儘な神であったのう。そちの責めではない。謝罪する。」
「そんな言い方、ずるい…。そうやって、ご自分のせいにして消えてしまうのですか?」
「は?」
「は…?」
「わらわは消えぬが。」
「え?だって神を辞めるって。本家に戻るのでは?」
「本家にも戻らぬ。その罪を犯したもの、死を受け入れる者になる。
つまり、人間になると言う事じゃ。」




