相違
「ご馳走様でした」
俺のアパートで夕飯を終えた所である。
「プリンありますけど、食べます?」
「食べる!食べる!」
今日は弁天様の機嫌が良さそうだ。
「プリンもいいけど、おはぎ食べたいな〜」
「明日、用意しときますね」
「あざまる〜
こし餡でオネシャス!」
はい、はい汗
心の中でお返事。
「ところで、弁天様。
新しい試みをしたいんですが」
弁天様が少し堅くなるのを感じる。
「どういったご用件でしょうか?」
壁を造られた感はあるが、構わず続ける。
「弁財天様の、財を活かしていこうと思いまして。 この辺は中小企業が多いですし、事業者は結構信心深い。それをアピール出来れば、奉納金とかもたくさん増えると思うんですよ」
「へぇ〜
たかにゃんは、お金儲けにご執心ですね」
「へ?」
「ウチはさ〜水を鎮めるためにこの土地に来たのよ。昔、ここの村は水害や日照りが繰り返されてて土地も痩せていたから。今は時代が変わって、新しく来た人も多くなって、農業やってる人もずいぶん減っちゃったけど、ウチはそういう人を見守っていきたいのよ」
「いや、だから地元の中小企業のために…」
「たかにゃんはお金のためでしょ?いつのまにか守銭奴になっちゃって。お金、お金って。
よよちゃんのお兄さんもそうだった。すごく頭のいい人で留学とかもして、事業起こしてずいぶん会社を大きくしたらしい。
で、この土地を去っていったんだ。
たかにゃんも、お金稼いでどっか行きたいんでしょ!」
「え!ちょっと待って!ちが…!」
「もういいよ!好きにすれば?帰る!」
「弁天様!」
俺が叫んだ時には、弁天様はもう消えていた。




