クセって無意識に出る
「ここに居たのか、カシュー」
スタークが俺を気にかけてか、話しかけてくる。
「ああ、彼女に肉をせがまれてた」
そしてアリアドネとネレイドが居る方に視線をやる。
「そうか、すまない。彼女は、ネレイドの作った『ウサギのシチュー』が好物でね」
なるほどね、ちょっとおかしなテンションだとは思った。
「にしても、スタークは面倒見が良いな。レアの時といい、アリアドネの時といい」
「……? そうかな? リーダーなんて囃し立てられて、肩書きに見合った振る舞いをしなくちゃ、なんてやって来たことが、染み付いちゃったのかもね」
「たしかに、いつの間にか染み付いちゃってるクセってあるな」
「そうなのかい? たとえば?」
変なところに食い付いてきたな。
「そうだな、何か行動を起こす前に『よしっ』とか『さあ、やるぞ』みたいな何かしらのかけ声を口に出すクセは自覚してる。もともと、何をするにも腰が重いタイプだったから、なんとか自分を盛り立てないと! なんてやってたら、今や無意識に出てるわ」
「ははは、それだけしっかりとしたエピソードがあるのに、記憶喪失なんて、やっぱり君は変わってるな。別のガーデン……いや、全く別の世界から来たと言われても、本当にそうなんじゃないか? とすら思うよ」
言うなれば、プレイヤーは全員異世界人だからなぁ。
「どうだろうな? とりあえず俺のそっくり青銅像に会えば、少しは何か分かるかもな」
スタークは笑顔で頷く。
「そうだね。そうと決まれば、しっかり食べて、しっかり休もう!」
「そうだな!」
……また、やっちゃった気がする。




