ベースキャンプ
ようやく辿り着いた、遺跡から少し離れた場所にある
開けたスペース。
ここをGSの面々はベースキャンプ地にしていたらしい。
「この場所なら、ガルムやその他のモンスターはやってこない、ここで一先ず野営をしたいと思う」
チェックポイントの更新か、と言うことは戦闘があるって事か?
「分かった」
俺は頷く。
すると辺りが、昼から夕、そして夜に変わる。
なるほどね、キャンプでイベントか
これでメンバーとの親睦を深め……
──スタークとマブダチになる未来しか見えない。
とりあえず、誰かに話しかけてみるか。
「言うてコミュ強とは、ほど遠いからなぁ俺……ん?」
アリアドネが明らかに落ち込んでる空気を放ってるな。
「どうしました? アリアドネ……さん?」
アリアドネがこちらを向く。
「記憶喪失、ウサギ持ってない?」
「ウサギ?」
と言うか、『記憶喪失』呼びかよ笑
ウサギって言ったって、あるのはクニクルの肉くらいのもんだけど
ウサギその物を必要としてた場合、ノータイムで
死体を差し出してくるサイコパスだと思われかねんぞ。
「ウサギって、肉?」
アリアドネは頷いて答えてくれる。
「そう、ウサギ食べる」
良かった、大丈夫そうだ。
「じゃあ、どうぞ」
──クニクルの肉を渡した。
「ありがとう、記憶喪失」
アリアドネは小走りでネレイドの元へ向かう。
「いや、子供か」
ネレイドはアリアドネがウサギ肉を手に駆けてきたものだから
小さく悲鳴を上げる。
「どうしたの!? ソレ!」
「記憶喪失に貰った」
野良猫を拾ってきた子と、母の図。
ネレイドが遠くから会釈をするので、反射的に会釈を返す。
「喜んでもらえたのかな? さて、次は誰に……」
「ここに居たのか、カシュー」
……出たな! スタークっ!




