偵察の真価と二強
あー、いやな事聞いちゃったなぁ……
さっきから歩いてる道、まさに獣道って感じで
見通しも悪いし、急にヤツら飛び出してきたら失神するかもしれん。
「カシュー、そう思い悩むことはないさ。虫系統が現れたら僕達が処理するから」
「処理までの流れはそれで安心出来るんだけど、飛び出してきた時の事を考えると」
俺が肩を落としている横で、メーヴェが腕組みをしながら呟く。
「なーるほどね~、私が『偵察』を持ってたら良かったんだけど、今は持ってないのよね~」
ん? 今は持ってない?
スキルって全部保管されてるんじゃないの?
──というか『偵察』!?
「あ、俺持ってる! そっか、偵察なら遮蔽物関係無しに敵の場所が分かるから、接触を避けられるのか!」
早速、辺りを見回してみる。
「少し離れたところにウルプスが数体。偵察範囲ギリギリくらいのところにアルクトスが1体……」
それを聞いたスタークが、少し険しい表情を見せる。
「アルクトスか……厄介なのが居るな、ウルススならば少しはマシだったのだが」
「アルクトスってそんなに強いのか?」
「アルクトスは、この森の『二強』の内の1体『隻眼ノアルクトス』特大型のクマのモンスターだ。」
「うわ、うろつくネームドか……で、二強のもう1体は?」
スタークが小さく唸り、少しの間考え込むも、口を開く。
「もう1体は『赤地獄ホットセンチピード』特大型の……ムカデだ。」




