わたしを遺跡に連れてって
「おじゃましまーす……」
俺にグロリアススターの面々の視線が集まる。
──何この人達、ここに住んでんの?
「やあ、カシュー。遺跡に向かう準備は出来たのかい?」
「ああ、多分大丈夫なハズ」
スタークは満足そうに頷く。
「では今回、カシューを連れて行く事になった経緯を話そう」
そんな深い意味があるのかよ?
「そう身構えなくても平気さ。大した理由じゃあないんだ、僕らが遺跡調査をしているのは、前回耳にしていると思う」
俺は肯く。
「そこで、どう考えても君に関係のある遺物……いや、もっと言うならば、君を模った青銅像が安置されていた。もちろん、君のそっくりさんかもしれないけれど」
えぇ……何それ、恥ずかしいんだが
知らないうちに『俺の像』とか
動画配信者たちのドッキリ企画じゃあるまいし。
「それは……確かに、引き合わせたくなる気持ちも分からないでは無いか」
「まあ、そう言わないでよ? 私たちも決して、興味本位で言ってるわけじゃ無いんだし?」
すっごい微妙な顔をしていたらしく、メーヴェが弁解する。
いや、あんたらメチャメチャ興味ありすぎて
目がキラキラしちゃってんじゃないのさ。
そうじゃないのはスタークくらいだ。
スタークはスタークで、胃が痛そうな表情だけども。
「確かに、ガルムに追いかけられてた記憶喪失の男がいて、ガルムが帰って行った遺跡に、その男そっくりな青銅像。何も起こらないハズもなく……」
「そそそ♪」
「興味津々」
やっぱノリノリじゃねーか、特にメーヴェ
それとアリアドネ、アンタはもう少し『興味本位』感を隠せ。
「ごめんなさいね?」
ネレイドは申し訳なさそうに言っているが
他と変わらない雰囲気だだ漏れだからね?
というか、この次から次へとカットインしてくるパターン……
スタークの胃が爆発する流れじゃないか?




