依子さん
どうやら、俺は余計なことをしまくってるらしいので
早く先に進むために、再び『ゲームカフェはな』に
足を運んだ。
「あらン修ちゃん、いらっしゃい。今日は早いのね?」
もう俺の名前がアラン修みたいになってるな。
「どうも、フルダイブ筐体空いてますか?」
「もちろん、空いてるわよん。たしか、1、2、4、5番が埋まってたハズ、確認するわね?」
ママはフロントに戻り、モニターで確認してくれる。
「うん、合ってるわねン。どこにするのかしら?」
「じゃあ、8番でお願いします」
「わかったわ、じゃあメンバーカードを預かるわね」
言われるままに、メンバーカードを渡すと、ママはカードをリーダーに差し込み
代わりに『8』と大きく書かれたカードキーを渡してくれる。
それにしても、明るい時間だと結構食事してる客も居るんだな。
「喫茶店のほう、盛況ですね」
「あらン、ありがとう。そう言ってもらえるとうれしいわぁ。欲を言えば、このお店を愛してくれる人がもっと増えてくれたら良いと思ってるけどね?」
「これ以上増えたら人手が足りなくなりませんか? フルダイブの監視もあるし」
「それは大丈夫よぉ。見届け人は専用の人間を交代で常駐してもらってるからねン。一人は前回会ったでしょう? 依子ちゃん」
「ああ、はい。普段はその作業してるんですね」
「そうなのよぉ、裏方の作業は率先してやってくれるんだけど、シャイだから接客はなかなかやりたがらないのよね~。まあ、アタシが居るときは良いけど、アタシだって人間だもの、休憩も必要でしょう?」
…………。
「それはそうですよねー」
「そういう時だけ依子ちゃんに頼んでるの」
接客もソツが無かったし、有能なんだな。
「何でも熟せるスッゴい娘なんだから!」
ちょっといま、脳内読みましたよね?