マイヘッドセット
「それで、修一はどんな感じでプレイするつもり? ガッツリ? まったり?」
そうだな……、以前は結構ガッツリやってたけど
時間もモチベーションも、昔ほど無いな。
「いや、まったりやってこうと思ってるよ」
「あー、年ね」
「オイオイオイオイ、言って良いことと悪いことがあるだろ!」
「コレ、大丈夫なやつよね? そうかぁ修一おじいちゃんは、まったり派か……だったら必要最低限のスペックがあれば良いね? あ、でもスクリーンショットはまったりプレイにこそオススメだから、私はコレか、コレが良いと思うよ?」
サクサクと選び出す朋美、こいつ意外とやるやつか?
提示されたのは、『散歩道らいと』と
『エントリーギアPremium Light』か
……えっと、ふざけてる?
散歩道は、さんぽみちで良いだろ?
なに、いかつさ醸し出してんの、しかもらいと……
一体、どうしたいのか?
もう一個はエントリーモデルなのかPremiumなのかLightなのか
ハッキリしろよ!
「その顔は、ライトって言葉に引っかかってるわね? でもね、それって必須なのよ。お手頃とかいう意味じゃなくて、軽いって意味だから。ハイモデルの重さを実感すれば、その文字列が無い商品は選べなくなるハズよ」
──なるほどね。
「そんなに重いのか?」
「長時間プレイは肩と首がバッキバキになるわ。いや、なったと言うべきかしら?」
「フルダイブガチ勢ろくな奴いねぇ……」
「それと、頭の形に合うこともすっごく重要なの、多少は調整できるけど限界あるから……もし、調整が合って無ければ──地獄よ?」
なんだよその、実感篭もり過ぎな言い様は。
……いや、実体験なんだろうけど。
「試着とか出来るのか?」
あまりにも脅してくるから、俺はちょっと日和った。
「もちろん! 私の挙げた商品で良いわよね? あ、購入するソフトは決まってるの? そしたら、そっちも用意しちゃうから」
そうだな、そういうつもりで来てるんだから、伝えておくか。
「ああ、SEVENS GARDENってソフトなんだけど」
「七庭ね! 分かった、すぐ用意するわね!」
──いや、朋美ガチ過ぎん?