丘の頂上
丘の頂上には小さな花畑があり、そこまで移動すると
採取ポイントの文字が浮かぶ。
「花系のアイテム？ ちょっと想像つかないな」
採取ポイント内に咲いている白い花と黄色い花
それに薬草と思しき緑の草。
「今回はバリエーション豊かだな、それじゃあ白白黄黄緑ってな感じにしよう。薬草はまだ有るしな」
サクッと花々を摘んでいく。
ガーデンローズ アイテム 花類 白
バラの総称ではなく、ガーデンにのみ咲くバラの一種。
色ごとに別々の香りを放ち、その香りには
身体に活力を与える効能があると言われている。
サンライトリリィ アイテム 花類 黄
ガーデンに自生するユリの一種。
色ごとに呼び名が変わり、それらを使用すると
わずかな時間、属性の加護が与えられると言われている。
「花を使うって、どう言うことやねん……とエセ関西弁でツッコミ入れたくなるな。まあ、ゲームのアイテムだからインベントリで選択すれば、使えるんだけれども」
とりあえず何かしらの効能があるらしい。
──あ、緑はほうれん草みたいな触り心地の、薬草でした。
「さすがに頂上まで来ると見晴らしが良いな」
辺りをぐるりと見回す……まばらにMOBがウロウロしてるな
レベリングには事欠かなそうではある。
その他に、採取ポイントらしき花畑、草むら、木の木陰
小さい池も見えるな。
「とりあえず採取ポイント巡りながら、レベリングかな？」
１番手近なゴブリンに狙いを定める。
俺はショートボウを構え、ゴブリンの足を狙ってみる。
「マーカーを合わせて……ちっさいし動くし、狙いづらいな！」
大体の狙いで放った矢は、ゴブリンに命中することは無かった。
「ああ、くそ。機動力が落ちたか１番安全に試せそうな相手なのに！」
近くに着弾した矢に反応して、ゴブリンがこちらに向かってくる。
だんだん寄ってくると、相対的に的が大きくなる。
これなら、当てられるか……？
「とりあえず足を狙って、クイックショット！」
──今度はヒットした！ さて、どうだ！？
ダメージ後の硬直は今まで通り、動き出しは……
「ホントだ！ 遅くなってる！ ……あ、戻った」
効果時間みじかっ！ ダメージの蓄積とかも関係あるんだろうか？
とは言え、通常攻撃のクールダウン明けに間に合った！
──それっ！
今度は頭を狙って撃つ。
──クリティカルヒット！
「やっぱ、頭が弱点っぽいな」
ゴブリンが倒れる。
レベル上昇とクリティカルヒットのお陰か
クイックショットと通常攻撃で倒せた……お得ですね！
