上島 修一
上島 修一(29)
それが俺の名前。
田舎にある工場務めをかれこれ
6年と少し務めている、おにいさんだ。
うん、知ってる。無理あるよね。
おっさんだよね……。
家から工場、工場から家を往復するだけの日々
さすがに刺激に飢えている。
「なんか、面白いことないかなぁ……」
ベッドに身を投げるように横になると
不意に携帯端末が鳴る。
──ピロリン♪
画面を見ると、新着メッセージの表示。
メッセージ? 誰からだろう? 心当たりないな。
彼女? 居るわけナイナイ(遠い目)
「横澤 義雅……ああ、『ギガ』か」
義雅は以前働いていた職場の同僚、でありゲーム仲間で
以前は、共通のMMOをプレイして良く連んでいたけど
あのゲームがサ終して、俺が退職した後は
全然、連絡取り合わなかったのにな……なんだろ?
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「カシュー君? ギガだけど、今大丈夫?」
「久しぶり、平気だけど、どした?」
「ひさしぶり
カシュー君、今ゲームってやってる?」
「あー、あんまやれてないね」
「じゃあさ、俺と七庭やらない?」
「七庭? んー何か聞いたことあるな
それってフルダイブじゃなかった?」
「そうそう、カシュー君ちの近くにフルダイブ喫茶
出来たでしょ? ちょうど良くない?」
「確かに、究極的には
チャリでも行けるしな」
「オッサンがチャリって笑」
「燃料代もバカにならんのよ」
「分かるけどな、BMXとかじゃ無いんでしょ?」
「悪かったな笑」
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こんな感じでダラダラとやり取りをしながら
フルダイブ喫茶に行く日程を決めた。
カシュー? ……以前のプレイヤーネームだよォ!
カミシマ シューイチだからなぁ笑