ポジションチェンジ
チュートリアルさんの護衛はギガに任せた……
任せたんだけど、俺の残った手札って
曲射砲、ダブルショット
それとチャーショ、番外的にヘッジホッグになる。
ダブルショットとチャーショ、ヘッジホッグは
仕様上、足が止まるから強化人々相手には
ちょっと厳しい感じするし
じゃあ、残りの曲射砲で行けるか?
って言うと、うーん……
バードハントと通常クイックが有能すぎる
というか俺が手数少なすぎるんですけどね。
これって、もしかしたら……チュートリアルさんに回避タンクやってもらって、ヤバかったらギガがフォロー、俺が断片回収の方が良くね?
「二人とも提案がありまーす! かくかくしかじか!」
「確かにそれが良いかもね」
「ヘイトが主人に向いた時は大丈夫でしょうか?」
「バードハント温存しとけば行けるっしょ!」
「分かりました、私やります!」
という事で、即席ポジションチェンジを決行する。
見つからない! あれも違う、これも違う……
幸い、鳥人々のタゲはチュートリアルさんに
向いてるっぽい、いや、今のはギガだったか?
なんで俺の所には来ないんだ?
ちょっと寂しいんだけど……うん?
今、ギガの足元にあった紙、断片じゃね?
「もしかして、断片に一番近いキャラを狙ってる……?」
じゃあ、俺ハズレじゃんという気持ちを
抑え込みつつギガ達の方へ向かう。
「ギガ! もしかしたら断片に近いキャラが狙われてるかも! ってか、お前足元に断片落ちてるぞ」
「今ムリ! ちょっと拾えない!」
「一旦攻撃を避けてから、その直後どちらかが拾いましょう」
「余裕があった方がね、了解」
ほぼゼロ距離の二人からタゲを奪うことは
出来ないだろうし、もう一枚の方を探すか。
おっと、また2人に突進しそうなモーション。
「なら! バードハント!」
コンポジットボウから放たれた矢は
鳥人々へとぐんぐん迫り、直撃する。
「二人とも今のうち!」
「ナイス!」
「はいっ!」
2人は一斉に断片を拾おうとし
キャラグラが重なる。
あれ、リアルだったら盛大に頭をぶつけてるよな。
「回収出来たよ!」
「ナイスー」
鳥人々は舞い上がり、怒りを顕にする。
「やっぱり断片に執着してるっぽいな」
囚われし人々:
戦技発動! 『暴風』
→範囲攻撃
やば、全員割と近くに居るんだが……!
鳥人々を中心に無規則な風の奔流が走る。
俺は咄嗟に顔の前で腕を交差して防御体制を取る。
取ったけど、もちろん盛大に吹っ飛ばされたよ?
「でも、ほぼ落下ダメージだけか……大した事ないな」
「主人!!」
「カシュー君後ろ!」
なに? 鳥人々とは距離あるし
別に何がある訳でも……




