なんでオレンジでソレ?
「それじゃあギガ、よろしく頼む」
「オッケー、何色でも良いよね?」
ギガの問いに俺は頷く。
その反応を見て、ギガは台座上の
光がある場所へ移動、そしてため息をつく。
「あー、スキルで適当に吹き飛ばしたから埋まったか?」
「そうみたーい、ちょっと掘ってみる」
カサカサ……カサカサカサ……
「……うん? えーと、あった! じゃあ、ここに〜♪」
ピッタリ〜♪
「ギガさんや、感じ入ってるところ悪いけど退避! 退避優先で!」
「おおっと! そうだった」
宙に浮いている光がオレンジ色に変わる。
「ここまでは順調、後は紙を全量吸い込んでくれれば、成功」
風が吹き荒れ、紙が巻き込まれ始める。
「先程より風が、強い様です」
チュートリアルさん、戻ったかな?
まあ、風の件に関しては確かに
体感1.5倍位にはなっている
これは期待できる。
光を覆い隠すように紙がまとわりつき
少しだけ、辺りが暗くなった気がする……
ほかの灯りが生きてるから
致命的に暗いわけじゃないけどね。
デカい紙のダンゴが出来上がり、そこから
細かったり、少し太めだったりする紙の塊が
枝分かれの様に伸びていく。
「なんだぁ? カニかぁ?」
「橙色から蟹が出るでしょうか?」
チュートリアルさんの言うことにも一理ある、が。
「ガデエクの色分けを思い出してから言おうね?」
「ぐぅの音も出ませんね」
公式で言っちゃったよ。
引き続き紙の吸引は続き徐々に形が見えてくる。
「お、おい。コレってまさか……」
「はい、お察しの通りのようで」
「なんか虫っぽいね? 動きが速そうで嫌だね」
「あ、ああ……アレはギリだなぁ。でも、ギリだから、何とかいける」
チュートリアルさんが近くに来て
小声で声をかけてくる。
「頑張れ頑張れ、出来る出来る絶対出来る!」
うっさいよ、出来るって言ってるでしょうが。
クッソ、七庭『虫擦り』が過ぎるわ
おのれ、しのらーさん!
どうやら着彩も終わったようだな。
ENEMY Encounter!『囚われし人々』
なぁんだよアレ……コクワガタの
首を異様に長くして、細長い触角を左右に伸ばし
頑強そうな大顎はそのままに
細長くもしっかりとした脚を備えた
体にほとんど艶の無い『虫』
「あれはデカいクワガタ、あれはデカいクワガタ……よし! いける! ギガ、引き付けよろしく! チュートリアルさん! 断片サーチよろしく!」
「了解!」
「了解しました!」
お、俺? 距離を取りながら牽制と
断片探し……だよ?




