ぽーいってするだけ
──ピロリロリロリン♪
「チュートリアルさん、お茶目が過ぎますよ?」
一瞬ピクっとしてしまった自分が悔しい……。
今度こそ引き出しオープン!
「これは、緑色の玉? イベントアイテム無償ゲットか?」
──『緑色の玉』を手に入れました。
緑色の玉を手に取ると4体の『彷徨える人々』が
こちらを囲む様に湧いて出る。
「うわ、ちょっと多いし、引き撃ちしづらいポジション、きっついわ」
──ここはヒールポーションを使いましょう。
「まさか、ゲームで良くあるあれ?」
──はい、因みにSEVENS GARDENもゲームです。
いや、そうだけど……。
自分以外にアイテムやスキルを使う
ハードルが高いんだよな七庭。
──そこは何とか工夫して下さい。
「何とか! AIから飛び出た言葉とは思えないわ」
どうすっか……弓、短剣、杖で
どうやって敵にぶつけるか?
矢に括り付ける用の紐があれば……某狩猟ゲーみたく
いや、霊体にヒットしても瓶は砕けないか。
そういや『格闘技の指南』ってもってたよな
素手攻撃と見せかけて、有耶無耶なうちに
ポーション引っ掛ける戦法なんてどうだろう?
ここまで考えて思ったけど
軽歩兵のアイテムスロー有能すぎんか?
ぽーいって投げれば良いんだから
ぽーい……ん? 閃いた!
俺は武器を解除して、手にはヒールポーション。
カシュー:
戦技発動! 『曲射砲』
→彷徨える人々:種族特効!
「やっぱり出せた! 射撃技だったから、行けると思ったんだよ!」
クールタイムがあるから連発出来ないけど
というか先の戦闘後、回復してないから
そもそもAP残り少ないんですけどねー。
──これは、完全に準備不足ですね。
うるさいよ、完全にその通りだよ。
しかしヒールポーション戦法が功を奏して
1体の人々が消え去る。
……1体とは一体。
くだらない事を考えながらも俺は
状況を有利にするため
人々を倒して切り開いた進路を駆ける。
「これで距離を取って! ぐっ! ダークボルトか」
1発もらったが、何とか包囲網は抜ける。
「今度はインベントリからコンポジを取り出して通常攻撃! からの〜、クイックショット!」
やっぱり簡易ダブルショット気持ちいい〜
コスパも良いし。
ここからは引き撃ちとヒールポーション曲射砲とコレで切り抜けよう。




