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SEVENS GARDEN  作者: 天華L


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303/375

キャンプ


「こんな森の中で、歩きながら今後の展望を話し合えると思っていた、俺がバカだった」


「そうだね、バカだったね」


「そこは嘘でも否定して?」


 そんな事を喋っているが、二人は現在

超絶早歩き中(・・・・・・)だった。


 というのも、またしてもネームド

隻眼ノ(スカーデッド)アルクトス』+ウルスス多数が

近くをうろついて居るせいだ。


「なに? 熊って群れで生活するタイプだったっけ?」


「母子のセット以外は単独行動だったハズだよ? 前にネイチャー番組で見た」


「それ多分、俺も見たことあるわ。ああいう番組見てると、うっかり(・・・・)一日終わるから恐ろしいよな」


(しか)(しか)り。って、言ってる場合か! どうなの? 状況は?」


 俺は『偵察』を用いて、奴らのいた方を見る。


「大丈夫、徐々に距離は離れてる。この前みたいにタゲられてはいなそう」


「じゃあ、良かっ……待って、前回そんな感じで安心したところに『ホットセンチピード』がこんにちわ(・・・・・)したよね? ちゃんと見てくれてる?」


 そうだった、この森での油断は命取りだった。


 今度は油断なく全方向を見る。


「…………大丈夫っぽい。範囲内には()らん」


「良かった、もうちょっと行けばGS(グロリアススター)が使ってたキャンプ地があるから、一旦そこへ向かおう」


「それが良いな」


 スタミナ消費が発生するか

しないかの微妙ラインを攻めた『早歩き』は

しばらく続いた。




「ふう、着いた。この早歩きって裏技じゃね? ズルだろこんなの」


「スタミナ消費ラインが設定されてて、こちらは自由に動きを調節出来る。これは想定された仕様でしょう?」


 そんなわけあるか。


「これを習得しないと、ガチ勢としてやっていけないよ? 移動は常にコレ」


「しんどいが過ぎるんですが?」


「慣れれば行ける、というか普通に敵に追いつかれる事もあるから、戦闘中はスタミナ管理しつつダッシュ使った方が良いんだけどねー」


 さいですか……。


「で、どうする? ここで話し合いか?」


「いや、ここでは一旦キャンプしてリス地(リスポーン地点)設定。そのあとカシュー君のマイガーデンに移動、道中で女王イベントが起こればラッキー、起こらなければマイガーデンから遺跡探索に乗り出そう」


 キャンプ中には話さんのか? とか思っていると

ギガがインベントリから何やらアイテムを取り出す。


「うわ、何それイカツっ」


「テントだよ? これ持ってると、ここみたいにソレ用の場所でキャンプ出来るんだよ。でっかいけどインベントリ1枠しか使わないから邪魔にならないし、リス地更新出来るから、持ってると便利だよ?」


「そうなんだ、俺もゲットしとこうかな」


 ギガはささっと、テントを設置したあと

テントに駆け寄る。


「はい」


「何、急にはい(・・)って……」


「ああ、音声認識で『キャンプを行いますか?』って問いに答えただけだよ」


 え、ポチってやらなくても行けるの?


「カシュー君の方にも確認出ると思うよ?」


 ──パーティーメンバーが

   キャンプを提案しています。

   承認しますか?


 たまにしか聞けない事務的チュートリアルさん。


 ──主人(マスター)?(圧)


 おおっと!


「はい」


 俺が承認すると、画面が暗転し

ベッドで寝た時のメロディが流れる。


 ……そして目覚める。


「一瞬だな……」


「そうなんだよね、旅行者(トラベラー)系のクラスで、ちゃんと(・・・・)キャンプ出来るクラスがあるっぽいけどね」


「あのイカれたクラスにも、用途があったのか……。他にも色んな要素の深掘りにクラスが関わって来たりしそうだな」


「あると思う。でも自分はレアクラスの『剣豪(ソードマスター)』目指すけどね」


「レアクラス?」


「そそ、クラスアップの時に条件を満たすとなれる。やっぱりシンシャなんだから、刀使って戦いたいじゃん?」


「まあ、そうだよな。両刃の剣で戦うシンシャは、ちょっと違和感感じてた。それにしても、クラスツリーに脇道があるとは……決められない気がするぜ!」


「アハハ、まあ今度こそマイガーデンに向かいながら話そうよ?」


「そうすっか。途中でイベント起きたら無理だけどな」


 俺達は神秘ノ森林庭園ミスティックフォレストガーデンへ向けて出発する。


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