座ると無駄に語っちゃうおじ推参!
「近くにヤバイのは居なそうだな、よっこいしょ」
俺は回復の為に座ることにした。
──一番ヤバイのは先程の主人かと
思いますけどね?
「言うじゃないか。ま、否定は出来ないけど、ね」
流石に浮かれすぎた自覚はある。
「とはいえ、あの調子で狩って行けるならば、間違いなくレベリングの回転率が上がる。実力アップの実感と先の展望が見える、という朗報に違いないんだから……良いでしょ? 浮かれても」
序盤はガンガンクエストこなして
ガンガンレベルアップしてった方が
ゲームとして純粋に楽しめるだろうし
その方針で行くつもりでいる。
「ガチの超効率ビルドって、作業感が強いし、楽しいよりも苦しいが強かった印象なんだよな……昔の体験から行くと。もちろん、最適行動と最大火力でガンガンストーリー進められるのは気持ち良かったが」
──苦労したのですね。
「いや、そうでもないよ。当時はそれが正解だと思ってたし、そのくらいやって当然とさえ思ってたんよ。思い返してみると楽しめてたかな? って、疑問に思う事があるくらいで。多分、今の俺はガチパには入れないんだろうな、温度差凄まじくて風邪ひきそうになるもん」
──フレンドの方は、かなり本気のようでしたが?
装備の更新を見るに
だいぶ進めている様でした。
「ギガかな? 雪藤さんは1度しか会ってないもんな。ギガはね、ガチでやるって宣言してたから、今回もかなりやり込むだろうね。以前やってたMMOでは、結構上位に食い込んでたくらいだし……とはいえ、上には上がいっぱい居たけど」
──主人は本気ではやらないのですか?
「いや、いつだって本気だよ。特に乱数に挑む時は力を入れてる。多分だけど、力の入れてる方向が違うんだろうね。俺は『全力で楽しむ』ってスタンスでやっていくつもりだよ、まとまった時間も取れないから、最先端攻略なんて、望んだって出来ないし」
ぶっちゃけ、ストーリークリアまでプレイ出来るか
分からないレベルなんだよな
ま、七庭はそれを許してる節があるし
スローライフでも、楽しんで細く長く続けて
行ければ良いかなと思う。
「よっし! 毒回復! 次の廃ガーデンはどこかな?」
──おそらく、あそこに見えているのが
安らぎの丘の廃ガーデンだと思います。
「また丸見えかよっ! 中身は期待薄だな。まあ特殊クニクルはどこに出るか分からないんだから、まわるしか無いんですけど?」
そういえば、マイガーデンで毒回復待ちしたら
めちゃめちゃ安全に回復出来るんじゃね?
となるとエントランスキー……超便利アイテムだな!
──マイガーデン内では状態変化が無効になり
有効時間やクールタイムなど全て保持されます
さらに言えば、戦闘中にエントランスキーの
使用は出来ません。
「まあ、それはそうか。悪さ出来そうって思ったんだけどな」
俺のしょうもない案は、即座に否定されるのであった。




