一斉攻撃
「ガリアン! 女王の体力はもう残り少ない! 一斉攻撃で止めを刺そう!」
俺はガリアンに一斉攻撃を提案をする。
「それで決まらなければ、戦線は総崩れだぞ? 根拠はあるのか?」
「ない! 100%俺の勘!」
ガリアンが尤もな事を言うが
俺はノータイムで返答する。
うっかりミスでシルバが倒れても
結局はこちらのジリ貧は目に見えている
そういう都合も実際あるが
もう少しで倒せるんじゃないか?
という予感の根拠も実は少しだけある。
それは女王の殲滅奧技『侵蝕セシ深緑』だ。
ガルム戦を振り返れば、殲滅奧技の発動は
『怒りモード』になってからだった。
女王も『怒りモード』っぽいセリフを吐いていたし。
んで『怒りモード』の条件は
ガルム戦でチラッとき聞いたが
体力の低下以外にも条件はあるっぽいけど
今回は炎の壁戦法を暫くやってからの
『怒りモード』発動だった。
ぶっちゃけ、こちらの持ってるスキルの
バリエーションが少ないせいで
単調な攻撃の後の発動ゆえに
体力低下以外のトリガーを引いた可能性は低い。
そしてイラプション戦法に切り替えて
明らかに桁違いなダメージを
5発も撃ち込んでいる、序盤のチュートリアル的な
立ち位置の、この『第三勢力の介入』
これ以上長引けば、間延びが酷すぎるんじゃ
なかろうか?
──急なメタ発言は控えてもらえると
助かります。
ともかく、これくらいの判断材料はあった。
運営が間延び上等スタイルだったり
他にはイラプション2発以上の残り体力だったりの
可能性は十分にあるので
希望的観測という意味も込めて俺の勘という事にした。
「良いだろう、その賭け乗ってやろうじゃないか! 各員、最大火力を出せる位置まで移動し、一斉攻撃の号令はカシューに任せる!」
「わかった!」
幸いにもガリアンが
この作戦に乗っかって来てくれたので早速行動開始だ。
とはいえ、シルバと俺は元々
最大火力を出せる位置にいたので歩兵を女王の近くに
何体か送ったくらいだが
ガリアン勢は弓兵以外は軒並み
女王の間近に詰め寄る感じになった。
「これミスったら、ガチで詰みそうだな……」
──主人、配置が済んだ様です。
おっと、ゆっくりしている間は無い
すぐに号令を出すぞ!
「攻撃開始!」
密林の王者 オーバン:
戦技発動! 『ワイルドキック』
→惰眠ヲ貪ル 怠け者女王
カシュー:
戦技発動! 『曲射砲』
→ 惰眠ヲ貪ル 怠け者女王
惰眠ヲ貪ル 怠け者女王:
戦技発動! 『降り注ぐ種子』
→カシュー
監視者 ガリアン:
複合戦技発動! 『闘気を纏う拳』
→ 惰眠ヲ貪ル 怠け者女王:ひるみ
└偉大なる森の隠者 シルバ:連携 種族特効
魔法発動! 『イラプション』
→ 惰眠ヲ貪ル 怠け者女王
バリンッ! バリンバリンッ!
最後のイラプションが決まった直後
雷の音? みたいな破裂音が鳴り響き
同時に視界が明滅する。
途中で地味に俺めがけて飛んできてた種が
空中で消える。
「これカエルのゲ〇の時に言ってた、飛び道具系は倒すと消えるってヤツだよな!?」
──どうやら、主人の勘が的中したようです!
「よぉっしゃぁぁ!! 俺たちの勝ちだぁ!!」
うおおおー!
俺の叫びと共に自軍の兵が勝鬨を上げる。
「ははは、本当にやってのけるとはな」
──『第三勢力の介入』
惰眠ヲ貪ル 怠け者女王を撃破しました!




