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SEVENS GARDEN  作者: 天華L
229/374

ダージラー


「あらン、いけない! はい、(まぁ)ちゃん、ご注文の『喫茶店ナポリタン』よ♪」


 え、ギガの奴、またパスタ頼んでんのか?


「それからぁ、ご注文のダージリンティーです」


「待ってました!」


「……は?」


(しゅう)ちゃんも、決まったら呼んでねぇン」


 ママはそう言ってウインクを残し去っていく。


 待て待て待て待て、情報量が多くて

脳の処理が追いつかない上に

ママのウインクで思考停止しそうになったわ。


「うーん、まずはここからか? ギガ、この前カルボナーラ食ってたよな?」


「え? うん、食べたね。スパン短くねってコト?」


「まあ、そうだな。本人が良いなら良いんだけど」


「全然余裕! 流石に一日中パスタはキツイけど、毎日1回くらいでも行ける」


「いや、基準が分からん。それにしてもその(・・)ナポリタンはネーミングが『ファンシー』じゃないんだな」


「ホントだね、喫茶店にこだわりのあるママの名付けかもね」


 ていうことは、ファンシー要素は

依子さんの仕業か……。


「たーしかに、ていうか普通のナポリタンと何が違うんだろ?」


「見た目はあんまり変わらないよね? 食べてみるわ。いただきまーす!」


 ──パクリ。


「これは! 濃厚でいてコクがあり、それでいてクドくない……星3つです!」


「それ、グラニーの真似か? 味についてまるで触れていないんだが……」


 ギガは自分で披露した

モノマネのクオリティの低さに

頬張ったナポリタンを噴き出しそうになっている。


 水を一口あおり、一息ついたギガが口を開く。


「アハハ! 食レポムズいね、甘味を食べた時のカシュー君を見習いたいよ」


「俺、食レポなんてしてたか?」


「無意識かっ!」


 えー、やってたんだ俺。


「そ、それはともかく! ナポリタンは取り敢えず良い……なんでまたダージリン(・・・・・)頼んでんだよ!? さっきはお冷飲んでるし」


「ああ、コレ? 前回飲んだら思いの外美味しくてさ、プチマイブーム到来」


「だからって、食事と一緒に頼まなくても……」


「届きたてだと、あっつくてさ〜。前回やったカシュー戦法(・・・・・・)がちょうど良かったんだよ」


「なによ、カシュー戦法て……食事はお冷で、食後にダージリンってコト?」


「そそそ! 素敵な発見をありがとう。俺は立派な『ダージラー』になれました」


「そんなん聞いたことないわ!」


 とはいえ、俺も早いとこ決めないとな


「うん……? これは」

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