いざ、七庭へ
真新しいメンバーカードを提示して部屋を借りる。
「ウチのお店は、8台のフルダイブ筐体があってぇ、それぞれ同じ間取りの個室になってるわ、今は1番、3番、5番が埋まってるけど、それ以外ならどこでも大丈夫よぉ」
3番は朋美だったな、あいつの鬼気迫る叫び声聞いたら
縮み上がる自信がある! 離れた部屋にしよう。
「あ、因みに防音はバッチリよ」
ちょっと、心読まないでください。
「じゃあ8番でお願いします」
「8番ね、分かったわ」
ママは俺からカードを預かり、端末に差し込む
そのメンバーカードと引き換えに
大きく『8』と書いてある黒いカードキーを渡される。
「喫茶スペース隅の下り階段からフルダイブ部屋スペースに降りられるわ。何処が何番の部屋かはひと目でわかるハズよォ」
「分かりました」
カードキーとマイヘッドセットを手に、階段を降りていく。
「うん、これは1発でわかる」
階段を一番下まで降りると廊下が一直線に通っており
その左右それぞれに4部屋ずつ、扉にはカードキーと同じデザインで
大きく数字が書いてある。
それから……突き当たりはトイレっぽいな。
これだけシンプル構造なら、迷うほうが難しいな。
俺はカードキーを使って、8番の部屋に入る。
レイアウト的にはオーソドックスなスタイルと思われる
部屋の半分にフルダイブ筐体
家電量販店で使ったのと似たような筐体だ
部屋はグレーで統一され、ちょっとしたテーブルと荷物用ロッカー等など
ひと通り揃ってる感じだな。
壁に張り紙があるな、なになに?
フロントへの通話はインターフォンで出来るわ(はぁと)
空調と照明の調整は、その隣のつまみで調節してちょうだい(はぁと)
……いや、クドい。
とりあえず少し寒いので、温度を微妙にあげる
照明は薄暗い方が良いかな? 適当に操作してから
俺はSEVENS GARDENのソフトとマイヘッドセットを
手にフルダイブ筐体へと歩み寄る。
「えーと、マイヘッドセットを有線で繋いで、SEVENS GARDENのカートリッジをここに……ん?」
─INSERT CARDKEY─
カードキー使うんかい!! ロッカーに入れちゃったよ
取ってこなくちゃ。
──これで、良し。
フルダイブ筐体に腰を下ろし、ログイン操作を始める。
つい先日ぶりだけど、オラ、ワクワクすっぞ!




