ガーデン編集
よし、チュートリアルさんへのご機嫌取りのために
『ガーデンチェア』を設置するぞ。
件の2Dタイトルのメニューから
『ガーデン編集』を選択する。
少しのローディングを挟み
俺のマイガーデン『神秘ノ森林庭園』が表示される。
「うーん、シンプル! そういえば、ギガは何でガーデンチェアを設置しないんだ?」
「うーん、特に意味は無いけど。設置してあっても現状、システム的な恩恵ないから別に良いかって感じ?」
「家具はガーデンエナジー産まないの?」
「今のところ、そういう話は出てなさそう」
「そうなんだ、でもウチは地べたで座るチュートリアルさんを見ないためにも、椅子は必須だな」
さて、どこに設置するか……?
というか、エントランス以外無くね?
「ガーデンがでかくなると、エントランス以外も行ける様になるんだよな?」
「そうだね、もうちょっと進めるとひと部屋……部屋じゃないな、1画面分追加されるみたいだよ?」
なるほど、まあ今は遺跡からの転移先近く、花壇の脇にでも
設置しておこう。
「ん? 『プレビュー』もあるのか、見てみよっと。ポチっ」
画面が暗転し、3Dのガーデンが映し出される。
「おお、リアルガーデンじゃん。うんうん、やっぱりこの花壇の横がしっくりくるな。……? なに、この画面の端に見切れてるのは」
「なになに? 何かあった?」
ギガが俺の端末を覗いてくる。
「なんだろうね? 手?」
……手?
「──チュートリアルさんの手!」
「──ナヴィの手!」
揃ったのか揃ってないのか分からないが
同時に声を上げる。
「って事は、この映し出されてるのは、実際の俺のマイガーデンって事?」
「そうなるね、こんな情報出てたかな……? ちょっと調べてみる」
「いや、売店のレイアウト編集の時とかで来客が映るって事もあるんじゃね?」
「いや、ガーデン編集時に他のプレイヤーは入れないようになってる、仕様で」
「そうなんだ、じゃあペットとかの要素あったよな? それなら映り込む事もあるかも?」
「たしかに。──ホントだ、ペットの映り込みの報告がいくつか上がってるね」
まあ、何かの役に立つとは思えないな『この知識』
「2Dじゃないペットの様子が見れて『癒されるぅ〜』だってさ」
「くっそ、どうでも良いな。プレビューで開いてまでする事か?」
「ペット無理な場所に住んでる人は、フルダイブをペット目当てで始める人も居るくらいだから、家でもその姿が確認できるのは嬉しいんじゃない?」
「そういうものかね」




