ミルキーウェイとは……
少し待ったあと、料理が運ばれてくる。
「はい、コチラが『ミルキーウェイカルボナーラ』になります♪ よく混ぜてお召し上がりください」
見た目は普通……?
「そしてェ、コチラが『パスタサラダ』になりまァす」
おっ! まともだ!
──いや、他のメニューも名前以外は
まとも以上のパフォーマンスがあったけど。
「コチラがお飲み物になります。雅ちゃんはダージリン、修ちゃんはウーロン茶です」
俺達がママに軽く会釈をすると
ママはふたたび定位置に戻っていく。
「なあギガ、ミルキーウェイってどういう事だと思う?」
「さあ? よく混ぜてって言ったよね。やってみるか」
ギガがカルボナーラをぐるぐる混ぜ始める。
すると変化はすぐに訪れる。
「おお! なんかピンクのソース出てきた! あと……豆?」
ギガの言う通り、白いソースの下から
ピンクのソースが出てきて、混ぜる事で
ピンクと白のマーブル模様になる。
うーん、ファンシー。
「その豆は『ひよこ豆』だな。それで星を表してんのかな? ……にしたって、見た目はメチャメチャ甘そうに見えるけど、どうなの?」
「うん、食べてみる。──っ!? 普通に美味い」
「ややこしいわ! そのリアクション。で、どうなの? 甘い?」
「いや、そんな事ないね。先入観持って食べなければ、フツーのカルボナーラかな? すっごいクリーミーではあるけど」
ギガはそう言うと、ダージリンティーを一口飲む。
「この組み合わせは、イマイチかも……」
「俺もご飯にダージリン合わせるヤツ、初めて見たかもな?」
「言ってよ!」
「いや、言わねーよ? 何に惹かれてソレにしたの。食事はお冷で進めて、食後にダージリンならフルに楽しめんじゃね?」
「なるほど」
俺に言われたように食事を進めるギガを横目に
俺もパスタサラダを食べることにする。
豆苗とレタス、彩りに紫キャベツ
これは……サラダチキンか? いや、ソイミートかな?
そして、最下段には丸麺のパスタ
ドレッシングで頂く。
「アレ? 女子かな?」
「それは偏見強めだけど、確かに上島君には似合わないね」
「言ってくれるね? うん、ドレッシングが美味い」
もしゃもしゃと咀嚼してサラダ部分を少し食べ進める。
「え? サラダだけ食べちゃうの?」
「分かってないなギガ。最初から混ぜてしまうと、高確率でサラダがこぼれるんだよォ!」
「分かったから、うるさい。他のお客さんが見てるから」
またやっちまった……他の客ドン引きしてるし
ママも笑ってる。
その後は、大人しく食事を済ませて
家路に就く。




