アクィロ狩りに連れてって
結局ギガは何も食べてなかったので
公式店舗の出店にて牛串を食べた。
当然、俺も食べた。
──美味そうだったから。
公式店舗は確かに間違いないと思わせる程に
クオリティが高く、それなりに美味。
因みに、会計は俺が持った
そもそも奢る約束だったし、そこはキチンとする。
「カシュー君、ご馳走様でーす。リアルで奢ってくれても無問題だよ?」
「やかましいわ、今日からタダで泊まり込むじゃねぇか」
「正直、マジ助かるんだよね。これから定期的に泊まっても良い?」
「勘弁しろって……」
「さてと、腹ごしらえも済んだし『アクィロ狩り』に行こうか」
「そうだな。バードハント以外で攻撃当てる練習もしないと」
「コンポジでなら命中補正あるから、そこそこ当たると思うけどな? 他のプレイヤーも結構当ててる感じに見えたし」
「うーん、そうか? まだ実際に使ってないからよく分からん。というか『コンポジ』で切るんじゃないよ、響きがイヤ」
そんな下らない話をしながら
ガーディアを出ようとすると、誰かに声をかけられる。
「あー! カシューちんじゃーん!」
「奇遇じゃな、お主も狩りに行くのか?」
え? レアとライアス?
「お、GSじゃん、ツイてるね」
(ガスステ:ガソリンスタンドの略)
「何このイベント?」
──収集系クエスト受領中、稀に
NPCが手伝いを申し出る事があります。
NPCの参加によって報酬が減るような事は
ありませんが、クエストの討伐対象の
戦闘のみ参加し、一定数MOBを討伐すると
離脱します。
「今回、アクィロだけ狩る予定だから。その申し出、受けちゃいなよ」
「分かった」
俺はNPCの2人にお願いして同行してもらう事にした。
レアとライアスが臨時パーティー入りしたのを
確認したギガは俺に寄ってきて耳打ちする。
「それにさ、討伐対象の戦闘のみって言うけど『トレイン』を利用すれば、他のMOBとも戦ってくれるんだよ」
──うわ、セコい裏ワザだな。
あけましておめでとうございます。
本年、最初の投稿になります。




