トゥルデュの巣
「ほらカシュー君、あれが『トゥルデュ』だよ」
「不思議と聞いたことあるはずなのに、見た事ねえな」
「いや、どんな状況よ……?」
俺はもう一度トゥルデュを見る。
「うーんなになに? トゥルデュ、鳥、飛行体、小型、狩猟対象……これだっ! 偵察で名前だけ見たんだ!」
「なるほどね? 見えない位置に居たって……こと? そんな事ある?」
「いや、ちょっと不安になってきた……違ったかな? 見たのに忘れた……?」
「もうどうでもいいわ。ほら、エサ食べてるっぽくない?」
たしかに草むらでツンツンやってるな。
「この世界にちっさい虫っているの?」
「たしかに、見ないね。えげつない程でかい奴は居るんだけどね」
「会ったのか?」
「うん、赤地獄ホットセンチピード。瞬殺されたわ、さすが『二強』」
あー嫌だ嫌だ、無数の足に
テカる甲羅、どこを見ているかわからない眼……
それら全てがデカいなんて、何考えてやがる!
「そ、そんな事よりトゥルデュだけど……あれっ居ない!?」
「マジか! いや、あそこにいるわ」
ギガが指さす方を見ると、確かにいた。
グラニオンの背中の上だが。
「なんであんな所に……」
「共生関係なんじゃね? 刺激しない様に、追跡しよう」
その後もあちこちをウロチョロする
トゥルデュを追いかけて
俺たちは安らぎの丘を進む。
「一体何の時間だよ、コレ」
ようやくトゥルデュの巣に着いた。
「長かった……」
「長かった……、あれがトゥルデュの巣だよ。スポット採取ポイントになってて──」
──『スポット採取ポイント』
特定の条件を満たす事で現れる
簡易的な採取ポイント。
通常の採取ポイントとは違い
採取は1度きり。
ありがとう、チュートリアルさん。
「──そこを調べると、二叉の枝が手に入るんだよ」
「俺が調べていいの?」
「いいよ、俺『虫あみ』持ってるし」
「そうなの? じゃあ遠慮なく──」
トゥルデュ:
戦技発動! 『捨て身の体当たり』
→カシュー:ダウン
←トゥルデュ:自傷ダメージ
「いってぇ!! なんか攻撃されたんだが!?」
「あっはっはっはっは! そりゃそうでしょ! 巣を荒らされて家主が何もしないわけないじゃん」
大ウケのギガをショートボウで小突き
俺はトゥルデュに向き直る。
「なんだよもう」