裁縫アビリティ
「で、なんの話だっけ?」
ギガがそんな事を言う。
確かに、相当脱線したからな……。
「私服の人が多いなって話だよ」
「ああ、そうそう。アレって『裁縫アビリティ』で作った服なんだよ。大半は」
──『裁縫』アビリティ
様々な素材を用いて洋服を
仕立てることが出来るアビリティ。
使用する素材によって色やデザイン
また、成功確率が変化するが
『型紙』を用いた場合
確定でクリエイトすることが出来る。
──『型紙』
裁縫専用素材『パターンシート』と
完成した洋服を消費して
クリエイト出来る裁縫専用素材。
型紙作成の成功率は低いが
以降、消費されることはなく
元の洋服作成時に用いた素材を
用意できれば、同じ洋服が
繰り返し作成できる。
「うわっ!」
唐突なチュートリアルさんに、思わず声がもれる。
「どうしたの? カシュー君」
「ああ、急にチュートリアルさんが喋り出すからさ。プレイヤー同士の会話の最中でも話はじめるのな?」
「『チュートリアルさん』? ……って何?」
え? チュートリアルさんは
チュートリアルさんだろ? 何言ってんだギガは?
「ほら、ガーデンの庭園管理AI? このゲームの説明係みたいなやつ」
「庭園管理AI? ああっ、『庭園管理人工知能のナヴィ』か! そうそう、結構色々聞いててキーワードに反応して出てくるんだよね」
ギガが笑うが、……やべぇ
『ナヴィ』って名前忘れてたわ。
──主人?
イヤに力のこもった声で俺に呼びかける
チュートリアルさん。
……聞こえてない事にしておこう。
「うんうん、服の話を続けようか」
「? ……まあいいけど。で、なんだっけか? えーっと、あのプレイヤーメイドの服は単純にファッションで、装備としての機能は無いんだよね。『見た目装備』って欄で設定すると、街中とかの非戦闘エリアでは、あんな感じで表示される」
「なるほど。ファンタジーの世界で洋服って……とも思うけど、街中限定なのか」
「──と、思うよね? カシュー君『アーマースミス』ってアビリティ知ってる?」




