探索者ギルド
スタークに案内され、探索者ギルドへと到着する。
──非常にオーソドックスな感じなのね。
石造りの壁、木材の柱、木の床板、ファンタジーでは
良くある丈夫さを売りにした、飾り気のない広いホールに
カウンターがあり、受付嬢が探索者の応対をしている。
などと、受付嬢に目を奪われていると、スタークから
ツッコミが入る。
「最初は、そっちじゃあ無い。着いてきてくれ」
案内された先には……厳ついオッサンがいた
まあ、流れ的にギルマスみたいな感じだろう。
「探索者生活課のガリアンだ。以後よろしく」
イメージ的に根無し草っぽい探索者の生活課とは……。
スタークが必要な手続きを済ませ、俺の身柄はガリアンに引き渡される。
「ではカシュー、また会おう!」
スタークは笑顔でそういうと、もと来た道を歩いていく。
俺は片手を上げ、スタークを見送る。
「ふむ、記憶喪失……ね。名前はカシューと。それでは、そのフードを外して顔が隠れないようにしてくれ」
ガリアンが俺の羽織っているフード付きマントを指差す。
ああ、キャラクタークリエイトかな?
──あなたの容姿を設定して下さい。
チュートリアル最大の山場キター! っと思ったら通知がなる。
ピロリロピロリン ピロリロリロリン♪
うーん、『着信音1』! 良いところだが仕方ないな。
ヘッドセットを操作して、ログアウトを選択する。
──現在進行中のイベントは、次回ログイン時に
開始直前の状態でスタートされます。
クイックセーブみたいなのは、フルダイブ型では必須なんだろうな
出来なかったら、ダラダラと延長料金せしめられる未来が待ってるしな。