始まりの街ガーディアの苦労人
ガルム撃退後、スターク達と合流
『始まりの街ガーディア』へと移動し、その一角にある
スタークのクランハウスに案内される。
「それで、だ。メーヴェから聞いたが、記憶が無いんだとか?」
スタークが切り出す。
「はい、そのようで」
俺は複雑な気持ちを抑えて、ごく普通な反応をする。
「ふむ、君は身なりから、探索者と見受けられるが、その記憶はあるか?」
「探索者としての自覚はあります」
探索する為に始めてるしなぁ。
「であれば……君の身柄は探索者ギルドに預かってもらおうと思う、異存は?」
まあ、しゃーなし。
「ありません」
「そう、悲観的にならなくても大丈夫だ、ちょっとしたお使いをいくつかこなしたら開放されるだろう。それまでは泊まる場所や食事も提供される」
「けど監視の元」
「アリアドネは余計な事を言わないの」
「事実」
アリアドネとネレイドが会話に割り込んで来たのを皮切りに
他のメンバーも会話に混じってくる。
「あの大物相手に立ち回ったんじゃ、腕には覚えがありそうじゃが、探索者ギルドでは大人しくしとくべきじゃ」
「ライアスのおっちゃんの言う通りだよ? ギルドには怖ーい人も沢山だからね。アタシも良く怒られてる」
「なになに? みんなカシュー君に興味津々?」
ライアスにレア、メーヴェが来たところで
収拾がつかなくなりそうな雰囲気を感じる。
「ご忠告ありがとうございます、探索者ギルドで地道に頑張って行きたいと思います」
「カシュー君、私がギルドへ案内しよう。さあ!」
すかさずスタークが、言葉を繋ぎ移動を促してくる。
──あー、これは。
「皆さん、改めてありがとうございました。それでは失礼します」
お辞儀をして立ち去る、伊達に年はとってないぜ!
連れ立って、クランハウスを出たスタークを
横目で見やると、視線に気づいたスタークが
苦笑しながら口を開く。
「助かったよ。ああなってくると収拾つかなくてね」
「だと思いました」
「君のような立ち回りができるなら、ギルドでも大丈夫だろう」
あれ? これ、スタークの好感度上がってね?