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どこかおかしい街へ  作者: 本渡文人
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次、どうする?

四月八日  今日は新しい人と出会った。 今年も楽しくなりそうだ。




**************************************







「とりあえず、今わかっていることを整理しよう」




 ファミレスの端の席でご飯を食べながら、僕は話を切り出す。




 今日は入学式なので学校は昼までだったのだ。僕の過去について調べようという話になった後、昼食を食べに帰るのも面倒だということで、ファミレスで昼食を食べながら話をすることになった。




「僕の記憶があるのは病院からだ。いつから入院していたかはわからないが、二月末に退院できた」


「記憶喪失につながるなにかがあって入院したんだろうね」




晴柀は注文したハンバーグを食べながら話している




「その何かは僕の知らないほうがいいことらしい」


「誰も何も話してくれないんだよね?」


「うん」


「私の勘違いかもしれないけど、かなり性格も変わってる気がする」


「普通有り得ないはずなんだけど……」




今の段階では見当もつかないといったところだ。




「まあ調べればだんだんわかってくると思うよ」




 お手上げだというように手を挙げる仕草をすると、晴柀は苦笑いしながら答える。




「そういえば、晴柀と僕ってどんな関係だったんだ?」




 完全に忘れていたがこれが今一番知るべきことだろう。




「うーん……友達……かな?」




 おっと。若干言葉を濁すような言い方だったな。ふと晴柀のほうを見ると、一瞬目が合った後、晴柀のほうから目をそらした。




「それって、小学生の頃か?」


「うん」


「なるほど……」




 晴柀は急に声のトーンが上がり、勢いよく返事をした。明らかに怪しいが、とりあえず気にしないことにする。まあ小学生の頃なら記憶喪失の件には関係ないだろうしな、話を変えよう。




「で、何から調べる?」


「病院に行ったらいつから入院したとか、なんで入院したとかわかるんじゃないかな?」


「なるほど…………確か僕が入院したのは町の総合病院だった」


「近いね。行く?」


「もちろん」


「よし!」




 僕にしては勢いよく肯定すると、晴柀はさらに勢いよく立ち上がって、足早に外に出て行った。


 外は雲一つない晴天で、心地のいい暖かさだった。



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