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ハイトの何処が好き?

ティファ。気づくの遅いよ。


そしてハイトの我慢がついに限界突破

「ティファってハイトの何処を好きになったの?」


それは数日前、何気なくメルローさんから尋ねられました。

そんな事、聞かれるまで考えた事なかったです。

・・・・私はハイトさんに聞いたのに。


「何処が・・・ですか?」


「ほら、顔とか性格とか、色々あるじゃん?ティファってハイトと恋人になるまで、そういうの一切表に出さなかったから気になってたんだよね」


「はぁ。そうなんですか?確かに、そうですね?」


でも、それはしょうがないかと。

私、悠長に恋愛できる環境下では無かったので。


「別に男性の見た目に拘りはないです。あ、ただ余りに顔が綺麗な人はちょっと・・・トラウマがあるので・・」


「あーーーーだよね〜?つまりフィクスは最初からタイプじゃ無かったんだ?」


ん?フィクスさんですか?


うーーーん?確かにとても警戒していたので、そういう目で見てはなかったです。でも、別に嫌いだったわけではないですよ?フィクスさんは接し方とても丁寧で優しいです。この宿舎で一番私に対する扱い雑じゃなかった気がします。でも、最初から私を気に掛けて、色々裏で細工してくれてたのはギャドさんです。


「本当に、顔は特に気にしていませんが・・・」


「じゃあ例えば、俺みたいな顔の奴でもティファは好きになれば付き合えるの?」


「はい、問題ないと思います。別にメルローさんの顔だって普通に好きな女性はいるのでは?」


「え?マジで?」


「はい!問題なのは中身です!!」


ん? どうしました? メルローさん? 大丈夫ですよ?

今からでも改心すればきっと素敵な女性とお付き合いできます。


・・・・・・・多分。


でも、そうですねぇ?

一度真面目に考えておいた方がいいかも知れないです。

ハイトさんに聞かれたとき困ってしまいますもんね!


顔は・・・まぁ、整ってる方だと思います。

フィクスさんみたいに綺麗な顔でもギャドさんみたいに男らしい顔でもないですが、目元はスッキリしていて、でも目は小さ過ぎなくて、とても親しみやすい顔の作りです。


余り笑わないので分かりづらいですけど、私の前ではよく笑ってくれるので、余計にそう感じるのかも知れないです。たまに凄く可愛いとか思います。


性格は・・・・とても特殊だと、思います。

今まで私の周りにはいなかったタイプと言いますか。

無表情かと思えば感情的だったり。

やる気なさそうなのに実は誰よりも仕事していたり。

優しかったり、かと思えばとても怖かったり。


多分ハイトさんの生い立ちも関係していると思いますが。

最初から、ハイトさんは不思議な人でした。


私を警戒しているのに、私を全然不快な気持ちにさせないんです。そこはギャドさんも共通でした。


でも、ハイトさんは、とてもいい距離感だったと言いますか・・・今思い返すとハイトさんの近くって、とても居心地良かったんです。変に緊張しないというか、気が抜けるというか。


ハイトさんの目的が料理だと分かってからは、本当に安心してハイトさんの側に居れました。でも・・・途中から急に・・・ハイトさん態度が別人みたいに変わってしまったので・・・それからは、いつもドキドキしてました。


あの、オムレツを作った後ぐらいから。


「ティファ?ボーとしてどうしたの?」


「え!あ、いえ。すみません少し考え事してましたかね?」


いけない、いけない。

せっかくハイトさんに会いに来たのに、ボーとしちゃいました! 今日は厚切りベーコンとレタスとマスタードソース玉ねぎを挟んだパニーニとフライドポテト。あとスープは具沢山トマトソースエビ風味ですよ! どうぞ! 召し上がれ?


「うーーーーーーーん。美味ぃ〜ソースが絶妙に酸味があってでもそれなのに味がしっかり・・・どうなってるの」


ムフフ。


ハイトさんのこの顔だけは出会った頃から変わらないですね?思えば、ハイトさんの、この表情を見る度に私は自信をつけていったんじゃないですかね?


「お口に合いました?」


「僕幸せ。ティファ最高」


そういえば、あのオムレツ。

私が初めてハイトさんのリクエストを聞いて作った料理でした。最期にハイトさんが、好きな物を作ってあげたいと思って・・・・。


・・・・・・あれ?よく考えたら、なんでそんな事あの時思ったんでしょう?


そういえば、あの時、私、追いかけてこないハイトさんに、理不尽に腹を立てたような・・・・。


「ティファ?ティファもお腹すい・・・・・」


「え?あ、いえ・・・・どうぞ気にせず食べちゃって下さい!」


いけません。よからぬ考えが頭を掠めてしまい、私は少しパニックに陥りそうです。これはもう帰った方がいいのでは?顔が、とても熱いです!!

ん? ハイトさん? 何故横に?きゃわわ!!


「本当にどうしたの?そんな顔して・・・何か、あったの?」


何もないですー! 寧ろ勝手にパニックになっているだけです! 実は私、大きな勘違いをしていたのでは? こんな事、今更ハイトさんに言えません!!


「そうなの?じゃあ、今キスしてもいい?」


え?・・・何故キス?


嫌ではないです!でも、このタイミングですか?私は今更気付いた自分の気持ちに、正直いっぱいいっぱいなんですが!?


「あ、あの。ハイトさ・・・・」


「うん?ティファ、少しだけ、ね?」


実は、あの時からハイトさんの事好きだったのでは?

とか!しかもそれに自分は気づいてませんでしたとか!

言えない! 申し訳無さすぎて言えませんーーー!!

むきゃー!


「・・・・・・んっ」


「・・・・・・・・っ!」


あ、これ恋人のキスですね?うっとり。

あれ?ハイトさん何かビックリしてます?

なんでそんな、顔が・・・赤?


「・・・・・・ハイトさん?」


「・・・ごめん。ちょっと無理」


無理?え!?無理?ガーン!

私、今拒絶されました?

そんな・・・。


「我慢の限界を超えた。今日は帰さない」


「・・・・・・・え?! えーーー・・と?」


御免なさいハイトさん。私、ハイトさんの言っている意味がちょっと良く分からないんですが?


あの・・・・・なんで上着を脱いだんでしょう。


・・・・ハイトさん?


「いいよね?ティファの気持ちは、もう、僕の気持ちに追いついてるんでしょ?」


「ハ、ハイトさん・・・で、でも」


なんで突然豹変?

相変わらずハイトさんのツボが私には理解できません!


「泊まりは無理です!夜の仕込みがありますから!」


「一食ぐらい抜いたってアイツらは死んだりしない!それでティファの作業が滞るなら僕が手伝う為に仕事を抜け出すから心配しないで!!」


心配しますし言ってる事、滅茶苦茶ですから!!

もう!もう!この人なんなんですか!もうーーー!!


「と、とにかく泊まらない方向でお願いします!そ、それになんで急にそんな話に?」


「うぐぐっ!じゃあギリギリまでね! おいで!」


え?え?えーーーーー!?




え?その後ですか?

ちゃんと仕込みの時間までには帰りました・・・・帰りましたけど・・・・それ以上聞かないで頂けますか?


聞かれたら、私、多分厨房破壊しそうですので。

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