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*お犬様〜から*デートしよう!その二

「ほぉーー?中広いですねぇ」


それになんだか、とても豪華なシャンデリアとか掛かってますよ?作品が置いてある台も、とても豪華な飾り付けがされていそうです。


・・・一個ぐらい持って帰ってもバレなそうです。


「駄目だよティファ。ちゃんと警備が配置されてるからね?何か持って帰ろうなんて考えちゃ駄目だからね?」


ふぁ!!ハイトさん・・・エスパーなんですか?


私の心の声・・・読みました?ゴクリ。


「そうだぞティファ?それにここにある物を盗んで売ってもすぐ足が付くからな?諦めろよ?」


ムムム?そうなのですね?でも。


・・・・・・盗みませんから!!(キリッ!)


「何故かしら。ここまでティファ一言も言葉を発してないのに、何故か考えてる事私にも分かったわ。ティファを誘ったのは間違いだったかな?」


何ですかそれ?私にも芸術の一つや二つは理解出来ますよ?料理の盛り付けも美しくないといけませんからね!


「これは・・・豚ですかね?」


「「いや、バブラロフだと思う」」


ん?バブラロフって確か幸せを運ぶ妖精ですよね?


え?この丸々とした豚が?


「ヤバイ。イノリ・・・俺は既に帰りたい」


「まぁまぁ?芸術の感性なんて人それぞれじゃない。ティファらしくて結構結構」


「本当に、美味しそうな子豚だね?」


「「アンタもかい!!」」


お二人共?美術館は静かにしないといけないのでは?

さっき散々私、注意されましたよ?


あ、そんな事言ってる内にザックさんの作品の場所に着きました!・・・・わぁあああ!!


「・・・・・凄いね。見事な彫刻だ・・・コレ狼?」


「凄いでしょ?アイツあんなナリで彫刻の腕はピカイチなの。宮廷の柱の一部もアイツが彫刻した物があるのよ」


私、正直、芸術の事とか全然詳しくありませんが。

コレが素晴らしい作品だという事だけは分かりました。


「私達の暮らす領地では昔から青い狼の伝説が残っているの。その地の穢れを浄める青い花を咲かせる狼。まぁ、お伽話だけどね」


あ、だから所々に花の彫刻と青い宝石がはめ込まれているんですね?


「とても・・・綺麗・・・」


「他にもアイツが作った物があるから見てやって。順番に回って行きましょう?」


凄い。凄いです!!

こんな素晴らしいものを作ってしまうなんて!

ザックさん素晴らしい!!


他の作品もとても綺麗で素敵でした!!ムフゥ!満足!


「今日は声をかけて頂きありがとうございました!とても素敵でした〜」


「それだけ褒められたらザックも喜ぶわ。今度会った時にでも感想伝えてあげて」


「はい!是非!」


最初声をかけてもらった時は少し戸惑いましたが、今日は見に来れて良かったです!それに、運良くハイトさんとデートも出来ました!ムフフーン!


「とても楽しかったですね!ハイトさん!」


「・・・・・そう。良かった」


ん?ハイトさん?どうしました?なんか、元気ない?


「ハイトさんもしかして退屈でした?すみません。私だけはしゃいでしまって」


「ううん。そうじゃなくて・・・僕よくわからなくって、ああいうの」


芸術がですか?それは私も分かりませんが?


「美しい物とか綺麗な物を見て感動した事、ないんだ僕」


「・・・・そうなんですね?全くですか?今まで何を見ても全く?」


「・・・うん。多分」


それは勿体ないですね?あ、でも私もそうでした。


「私もカスバールにいた頃は何かを見て感動した事、無かったですねぇ?でもハイトさんが帰って来てから、ずっと周りがキラキラしてます!」


「え?そうなの?」


「はい!おかしいですよね?前はなんとも思わなかった日の出の光や、高い所から見下ろすサウジスカルの景色も、とても綺麗だと思えます!」


きっとそんな風に思える、心の余裕がなかったんですね。

ん?ではもしや今の私は無敵なのでは?


「いつかハイトさんにも私と同じ景色が見えるといいです。でも、見えなくても一緒に居られたら私は嬉しいです!」


きっと、ハイトさんが言いたい事はそういう事じゃないと思います。でも、いいですよね?


何をどう感じるかは人それぞれです!

気にすることなんて、ありません!!


「・・・・・少し、寄り道しない?前ピクニックした展望台」


「あ!いいですね?お弁当はありませんが・・・」


「果物買って行こう。何がいい?」


え!!いいんです?いいんですかぁ?

じゃあ私はあの熟れた山桃をお一つ。ジュルリ。


「コレ四つくれる?」


「あいよ!なんだティファちゃんデートかい?」


「あぅ!!・・・・はぃ」


しまった!!いつもの調子で商店に寄ってしまいました。

うう・・・気まずいですね。コレは。


「へぇ?そうなんだ。ティファちゃんにもちゃんと本命がいたんだね?てっきり誰にも興味ないのかと思ってたよ!」


・・・・・え?そうなんですか?


私が言うのもなんですが、私、結構色々な騎士団メンバーと買い物に来てます。その誰一人ともそんな風に見られてなかったんです?アレ?女子力ゼロ問題発生ですか?


「良かったねぇ?ティファちゃんも、もう少しで20歳だろ?おじさん奥さんとティファちゃんの結婚相手を世話しようか真剣に話してた所なんだよ?余計なお世話だったねー?」


親切ですね!!でも、嬉しくないです!!

今だから分かる私の能天気さ!!私、ハイトさんとお付き合いしなかったら本当に相手が見つからなかった可能性大であります!!


「あはは。やめてよ。僕そんな事されたら困っちゃう(それに関わった全員を抹殺しそうで)考えただけで恐ろしい」


ゾッ!ん?悪寒が・・・なんでしょう?ハイトさん?


「ハハハ!相手がちゃんといるんだから余計な事なんてしねぇよぉ!ほら、もう一個オマケだ」


コレ、明日にはきっと街中に広まってしまいそうです。

隠していた訳ではないですが、今まで誰かと付き合ってるって言いませんでしたから。良かったんですかね?ハイトさん?あら?気にしてなさそうです。


早く行かないと日が沈んでしまいますね。急ぎましょう!


「服汚れちゃうから僕の膝の上に座って。ハイ」


「あ、ありがとうございます?」


あ、山桃ちゃんと拭いてくれるんですね?

ありがとうございます。・・・そういえば。


「ハイトさんって今もまだ、食べ物の味ちゃんと感じられないんですか?」


「それがね?じわじわ分かるようになって来てる。ティファの料理みたいにハッキリと味がわかる訳じゃないけどね。それに、一度ティファが触れた物なら前から味がわかったんだよね、実は」


あ!だから?私と外でご飯を食べに行った時、殆ど私が手を加えてましたもんね?それで、美味しく食べれてたんですね?凄いです!私の手!


「ハイ。ティファどうぞ」


「あ、ありがとうございます!ハムッ・・うーん甘いです!」


ハイトさんは、食べないんです?

四つも買ってくれたのに。じゃあ・・・・。


「・・・・一口、食べます?」


「いいの?」


え?いいですよ?私そんなケチじゃないです!

それに、私が触れた物の方が、味感じやすいんですよね?


シャクリ


・・・・・あ。あの、ごめんなさい。

ただ私の手から山桃を食べただけなんです。だけなのに。


「・・・・甘い。凄く」


超・絶・的色気が私の真上から放たれております!!

な、何でしょう?ハ、ハイトさんの視線が・・痛い!


「食べないの?ティファ」


「た、食べます!」


今日は初めておめかして、ハイトさんとデートしたり、美術館で素晴らしい作品を見たり、こうやってハイトさんと沈む夕陽を見たりして、内容の濃い一日を過ごしました!


大満足の一日です!


「綺麗な夕陽ですね」


「・・・・うん」


あ、こういうのも、もしかしてよく分からないんですかね?


そうなんですねぇ。


「ハイトさん」


「ん?」


もう、明日にはハイトさんと付き合ってるって街中に広まりますから、少しくらい大胆になってもいいですかね?

誰も、見てないですし?


分かってます。今日は止められても拗ねたりしません!


あ、でも、コレ・・・アイラさんがこの前教えてくれたキスです。恋人同士の・・・。


・・・・何でしょう?何か、私の頬に、落ちて・・・・。




「・・・・本当だ。・・・とても、綺麗だね?ティファ」




はい。よく分かりませんが。

ハイトさんが幸せそうなので何も聞かないです。


もしかして、果物の汁、目に入っちゃいました?


「大好きだよティファ。・・・・・ありがとう」


はい!私もハイトさんの事、大好きです!

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