*お犬様〜から* ティファから思わぬ反撃をくらう
お犬様第5話辺りのエピソード
「とりあえず。仲直りしようか?」
「え?仲直り・・・ですか?私達喧嘩してないですよね?はて?」
そうだね。喧嘩はしてないですけどね。
僕ちょっとイノリに叱られて我に返ってみました。
・・・・確かに僕、帰って来てからかなりティファを困らせていましたね?自分でもビックリしました。
「ずっとティファと離れてたから、ちょっと色々性急すぎたよね?一足飛びに結婚とか・・・困ったでしょ?」
「・・・・はぁ。まぁ・・困るには困りましたが。嫌とかでは・・・」
ホッ!
よ、良かった。まだそこまで嫌がられてはなかった。
せっかく両想いになれたのに、こんな事で離れられたら僕ちょっと立ち直れません。
「あの。膝の上に乗っても・・・良いですか?」
え?!珍しい。ティファからそんな事言ってくれるなんて・・・いつも恥ずかしそうに逃げ回るのに。
どうぞどうぞ!
ん?なんでジッと僕の顔・・・見つめるのかな?
「怒らないんですか?嫉妬しない?」
「・・・・怒らないよ?でも、嫉妬はするよ?」
これは、ご機嫌伺いなのでしょうか?
最近ティファ余計な事、覚えましたよね。
デズロ様も最近ティファに振り回されてますからね。
君、そのテクニックをどこで覚えて来たのかな?
いや、でも・・・確かに可愛いですけど・・・。
「僕は今すぐにでもティファと結婚したいけど、ティファの心の準備が整うまでは待ってるよ?だから、焦らなくていいからね?ティファは、何か、その・・・僕としたい事とかがあるの?」
恋人・・・恋人がする事ですか?
二人で出かけたり手を繋いだりは、した事ありますよね?
そもそもティファとは年中一緒にいますから、僕としてはもう結婚してもいいかなぐらいに思ってたんですが、ティファは不満だったんでしょうね?今まで女性と付き合う事に全く興味が湧かなかったので失念していました。
でも、ティファは別ですから。
ティファの望みは出来る限り叶えてあげたいですからね?
「・・・・じゃあ。私がハイトさんに触ってみてもいいですか?」
「・・・・・・・・え?」
ん?それはどういう事でしょう?
ティファの言いたい事が上手く伝わってこないんですが?
「・・・・私からハイトさんに触れてもいいですか?だって・・・ハイトさんに触られると動悸が激しくて私すぐパニックになってしまうので」
「・・・・・・いいよ。じゃあ僕はティファがいいっていうまで何もしない」
これは・・・・なんかすごい展開になりましたね?
え?ティファが僕に触りたいとか何?あ、でもティファ、力加減が上手く出来ないとか言ってましたね?肋の二、三本は覚悟すべきでしょうか?違う意味で僕ドキドキしてます!!
そういえば、こんな形でティファから触れられるのは初めてですね?ちょっと興味はありますね?
「・・・・ハイトさん」
う!確かに・・・こんな風に顔を近づけられると狼狽ますよね。ティファ・・・かなり慎重に僕の頬に触れてます。大丈夫ですよ、そんな恐る恐るじゃなくても?
手荒く扱われるのは慣れてますので。
それにしても。これはマズイですね?
ティファに無自覚とはいえ、こんな風にキスされたら僕、我慢出来るか自信ないです。
・・・・・ちょっと、だけ。
「・・・・・んっ?」
ちょっとくらいなら・・・・。
少しだけ、深く・・。
"好き。好きです・・・"
・・・・・・・・・・・え?
"もっと触れて欲しい、ハイトさんに、もっと"
な、なななななな!?なんっ!ちょっと待って?
"ハイトさん・・・・・・・足りない"
ぎゃあああああああああああ!!!
「ふぁ?!ハイトさん?」
「・・・・・・・ティ、ティファ・・」
これは何ですか?もしかして大樹の力の残した影響ですか?なんで・・・ティファの気持ちが・・・・。
「あ、あの?嫌でしたか?」
「・・・違う!そうじゃなくて・・・」
無理だ!このまま続けたら僕は多分正気を保てない!
絶対我慢できないし止まれない!これは、由々しき事態である!!
「こ、ここは。人が来るから・・また、今度。人が来ない所でしよう。その、色々と問題が・・・・」
「あ!そうですよね?すみませんでした!変な事言って困らせてしまって」
違う!そうじゃないんです!寧ろウェルカムですが、ここではマズイんです。 僕の理性が弾け飛びますから!
・・・・ティファ涼しい顔でそんな事考えてたんですね。
僕ちょっとティファの事、大分誤解してました。
ティファだって年頃の女性なんですよね。
イノリの言っていた事。やっとちゃんと理解出来ました。
「じゃあ晩御飯の支度を始めます!今日はクリームコロッケを大量に作る予定なのです!」
それは嬉しいな。
ティファのクリームコロッケ滅茶滅茶美味しいもんね?
でも、ごめん。
ちょっと君の気持ちが、まだ僕の中で上手く処理できていなくて僕は混乱中なんです。
しばし、しばし猶予を下さい!
"いつになったら、恋人みたいに触れてくれるんでしょう?"
これは絶対ティファには言えないです。
こんな事、僕が知ったなんてティファに知られでもしたら、彼女絶対涙目で逃げ出します。
もう、こうなったら死ぬまで隠し通しますから。
この秘密は墓場まで持っていく所存であります!!